小倉貴久子、直井研二が下總皖一音楽賞を受賞

 令和3年度「下總晥一音楽賞」受賞者に、ピアニストの小倉貴久子とオペラ演出家の直井研二が決定した。同賞は、加須市出身で「たなばたさま」「花火」などの童謡・唱歌の作曲でも知られる作曲家・音楽理論家 下總皖一の名を冠し、その精神を受け継ぐ埼玉ゆかりの音楽家を顕彰する賞。生誕90年を記念して昭和62年に埼玉会館友の会が制定、平成7年に埼玉県に移管された。過去には森谷真理、松本美和子、佐藤美枝子らが受賞している。
 表彰式は来年2月3日に開催予定。

◎音楽文化発信部門 小倉貴久子

 小倉は、東京藝術大学を卒業後、同大学大学院音楽研究科器楽専攻(ピアノ)修了。アムステルダム音楽院を特別栄誉賞を得て首席で卒業した。1993年、95年にはブルージュ国際古楽コンクール アンサンブル部門とフォルテピアノ部門でダブル優勝の快挙を果たす。日本を代表するフォルテピアノ奏者として、バロックから近現代まで幅広いレパートリーを時代に即した鍵盤楽器で紹介し、作品の新たな魅力を引き出している。録音も多く、実に50タイトル以上のCDをリリース。近年は、自ら「フォルテピアノ・アカデミーSACLA」を主宰し、楽器の普及に努めるとともに、東京藝術大学や東京音楽大学で後進の育成にも力を注いでいる。さいたま市在住。

小倉貴久子

◎音楽文化貢献部門 直井研二

 直井は、越谷市在住。東京藝術大学音楽学部声楽科を卒業後、1981年に文化庁芸術家在外研修員としてウィーン国立歌劇場とニューヨーク・メトロポリタン歌劇場でオペラ研修を受ける。1983年から国内外でオペラ演出を手がけ、1991年からは《泣いた赤鬼》や《かぐや姫》などオペラ彩の30作品以上の演出を担当してきた。これまでに、佐川吉男音楽賞奨励賞(2007年《トゥーランドット》)、三菱UFJ信託音楽賞(2012年《マリア・ストゥアルダ》)などの受賞歴がある。2019年《ナブッコ》上演にあたっては、地元の高校生やアマチュア合唱団、児童合唱団も出演。市民参加型のオペラを定着させるなど、地域の音楽文化の発展に貢献している。

直井研二

下總皖一音楽賞
https://www.pref.saitama.lg.jp/a0305/ongakusyou/

小倉貴久子
https://www.mdf-ks.com