1995年の第13回ショパン国際ピアノコンクールで第5位入賞を果たして翌年デビュー。以降も多彩な才能を発揮して着実にキャリアを重ね、今年は各地で25周年記念リサイタルを成功させてきた彼女を象徴する好アルバム。コロナ禍を越えて未来へと向かう祈りのメッセージを“プレリュード”というキーワードに込め、源流である大バッハの平均律クラヴィーア曲集から、ロシア正教の聖歌が立ち上がるフーガで構成されたショスタコーヴィチ作品、教会音楽的なコラールを含むフランク作品を経て、バッハを信奉してやまなかったショパンの「24の前奏曲」で締める圧巻の“鍵盤音楽史”。
文:東端哲也
(ぶらあぼ2021年12月号より)
【information】
SACD『Rika Plays Fantaisie series 前奏曲 /宮谷理香』
J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻 第1番/ショスタコーヴィチ:24の前奏曲とフーガ第1番/フランク:前奏曲 コラールとフーガ/ショパン:24の前奏曲
宮谷理香(ピアノ)
オクタヴィア・レコード
OVCT-00188 ¥3520(税込)