ドビュッシーの秘曲や現代の響きを鮮やかに伝える
2018年以来3年振りとなる日本ツアーを行うフランスのヴォーチェ弦楽四重奏団。結成から15年を経て、彼らのプロジェクトはより多様さを増し、その演奏はウィグモア・ホールをはじめとする世界の著名な音楽ホールで求められている。今回のツアーはフランス音楽を中心としたプログラムで構成され、新しい世代を代表する弦楽四重奏団として、音楽的なルーツを共有するフランスの作曲家にどう挑むのかが注目される。
プログラムはドビュッシーの弦楽四重奏曲に加え、イヴ・バルメールのドビュッシーに捧げる新作、そしてドビュッシーが自作(!)の詩に作曲した知られざる歌曲集「抒情的散文」(バルメール編曲)を、メゾソプラノの波多野睦美と共演する(別プログラムも有)。「抒情的散文」は管弦楽編曲版による録音が知られている程度で、ライブで聴くチャンスは極めて少ない。今回はバルメールの編曲による弦楽四重奏版で、繊細なドビュッシーの息づかいを目の当たりにすることができるだろう。
文:片桐卓也
(ぶらあぼ2021年11月号より)
プログラムA
2021.10/28(木)19:00 横浜市鶴見区文化センター サルビアホール(045-511-5711)
10/29(金)18:00 武蔵野市民文化会館(小)(0422-54-2011)
プログラムB
2021.11/4(木)19:00 サントリーホール ブルーローズ(小)(0570-55-0017)
11/5(金)19:00 京都コンサートホール アンサンブルホールムラタ(075-711-3231)
http://www.tvumd.com
※公演によりプログラムは異なります。
*本公演は、新型コロナウイルスの影響により公演中止となりました。(10/21主催者発表)
詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。