神奈川フィルハーモニー管弦楽団 2022-23シーズンラインナップ発表記者会見

 神奈川フィルハーモニー管弦楽団が、2022-23シーズンのラインナップ発表記者会見を9月30日に、横浜で開催した。登壇者は、次期音楽監督に就任する指揮者の沼尻竜典、同楽団理事長の上野孝、専務理事の櫻井龍一、音楽主幹の榊原徹の4名。
(Photos:編集部)

 2022年4月より同楽団の第4代音楽監督に就任する沼尻は、1990年のブザンソン国際指揮者コンクール優勝以来、国内外の著名オーケストラと共演し、ドイツ・リューベック歌劇場および同歌劇場専属のリューベック・フィルハーモニー音楽総監督などのポストを歴任。現在はびわ湖ホール芸術監督、トウキョウ・ミタカ・フィルハーモニア音楽監督を務める。神奈川フィルとはこれまでにも、定期演奏会やオペラなど、多くの公演で共演を重ねてきた。

 2022-23シーズンは音楽監督就任披露公演(定期演奏会第376回 2022.4/23)で幕開け。ドイツの現代音楽の作曲家ヘンツェのピアノ協奏曲第1番(独奏:児玉麻里)とブラームスの交響曲第1番を演奏する。そのほか沼尻指揮の定期演奏会では、第379回(7/16)でショスタコーヴィチの交響曲第8番、第382回(2023.1/21)ではベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲(独奏:神尾真由子)とサン=サーンスの交響曲第3番「オルガン付き」(独奏:近藤岳)を披露。東京での特別演奏会(1/20)、「第九」公演(2022.12.23)などにも沼尻が登場予定。
 次シーズンの定期演奏会は、前半5公演が神奈川県民ホール、後半4公演が22年11月にリニューアルオープンする横浜みなとみらいホールでの開催を予定している。また、モーツァルトをテーマにした「音楽堂シリーズ」や、オペラ・ミュージカルも含む名曲を集めた「県民名曲シリーズ」の開催も決定。コロナ禍では難しかった大編成の演目、海外アーティストとの共演など注目の公演が並ぶ。
 
 そして、新シーズンでは、20年に創立50周年を機にスタートした県内巡回公演シリーズの実施も予定。音楽主幹の榊原は「普段オーケストラの公演が行われないような地域での演奏会は大変に歓迎される。また、都市部より聴衆の年齢層が低く、様々な人たちへ音楽を届けることの意義を感じている。コロナ禍の状況も変わりつつあり、明るく前向きに努力していきたいと思う」と同シリーズについての手応えを語った。

 沼尻は「神奈川県とは以前からご縁があり、特に神奈川フィルとは稽古期間の長いオペラの上演で絆を深めてきた。横浜には、横浜みなとみらいホール、神奈川県立音楽堂、神奈川県民ホールという3つの拠点、そして中華街やおいしい食事などワクワクするイメージがある。地域との結びつきがあるオーケストラとして、いろいろな企画を提案していきたい」と就任についての抱負を語った。

【Information】
定期演奏会第376回〈第4代音楽監督就任披露公演〉
2022.4/23(土) 神奈川県民ホール

指揮:沼尻竜典(音楽監督)
ピアノ:児玉麻里
ヘンツェ/ピアノ協奏曲第1番
ブラームス/交響曲第1番

2022-23シーズン ラインナップ
https://www.kanaphil.or.jp/news/783/

神奈川フィルハーモニー管弦楽団
https://www.kanaphil.or.jp

※公演の詳細は、上記ウェブサイトにてご確認ください。