可憐さの中に隠された骨太な音楽
しなやかさと、たくましさと。過去2回の来日では、イザイの無伴奏ソナタを核に組み立てたプログラムを披露、その可憐な容姿からは想像もつかない骨太な音楽創りで、私たちを驚かせたフランス・ヴァイオリン界の新星ファニー・クラマジラン。パリに生まれ、7歳の時にヴァイオリンを始め、11歳にしてルイ・シュポーア国際コンクールで優勝を果たした。以後もユーディ・メニューイン国際をはじめ、著名コンクールで入賞を重ねる一方、パリ高等音楽院でジャン=ジャック・カントロフに師事。ロンドン王立音楽院にも学び、フランス放送フィルなど世界の一流オーケストラと共演、録音も数多い。今回の来日ステージは、モナコ出身のピアノの俊英ヴァニヤ・コーエンと共演。サン=サーンスの第2番、プーランク、ドビュッシーと3つのソナタ、パリ高等音楽院学長でもあるブルーノ・マントヴァーニの「ハッピー・アワーズ」に加え、武満徹「妖精の距離」を置くユニークなラインナップに挑む。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2014年5月号から)
★5月30日(金)・トッパンホール
Lコード:31752
問:トッパンホールチケットセンター03-5840-2222
http://www.toppanhall.com