演奏とトークでひもとく名曲の魅力
「フレッシュ名曲コンサート」は、次代を担う新進気鋭の音楽家が多数登場し、力のこもった新鮮な演奏を聴かせてくれることで定評がある。リーズナブルな入場料も人気の一つになっている。
今回、江戸川区総合文化センターで行われるコンサートでは、いま日本の音楽界で最も期待されているアーティストの一人、鈴木優人が日本フィルハーモニー交響楽団を指揮し、ドヴォルザーク「交響曲第9番『新世界より』」他を演奏することが注目の的となるだろう。
鈴木はバッハ・コレギウム・ジャパンの首席指揮者、鍵盤奏者としてバロック音楽の分野で活躍するだけではなく、今年4月から、読売日本交響楽団の指揮者/クリエイティヴ・パートナーに就任、NHK交響楽団の定期にも登場し、古典派からロマン派、現代音楽まで幅広いレパートリーに取り組んでいる。またヴィオラのアントワン・タメスティと共演するほか、調布国際音楽祭のエグゼクティブ・プロデューサーとして舞台演出、企画プロデュースをてがけるなど、まさにマルチな活動を展開する音楽家である。
ピアノで共演するのは第15回東京音楽コンクール ピアノ部門第2位入賞の原田莉奈。彼女の瑞々しい演奏はベートーヴェン「ピアノ協奏曲第4番」にうってつけであり、鈴木との間にどのような音楽的愉悦が生まれるのか期待したい。
このコンサートには、鈴木がオーケストラを構成する楽器を紹介しながら、音楽の聴き方・楽しみ方を伝えるという趣向もこらされている。
文:長谷川京介
(ぶらあぼ2020年10月号より)
2020.11/15(日)15:00 江戸川区総合文化センター
問:江戸川区総合文化センター03-3652-1106
https://edogawa-bunkacenter.jp