未来を担うホープたちの瑞々しい音楽性と高い技術を満喫する
開館25周年を迎えた紀尾井ホールでは、オープン当初からその才能が光る若手アーティストを紹介する企画を行ってきた。2006年スタートの「紀尾井ニューアーティストシリーズ」を引き継ぎ続いている「紀尾井 明日への扉」がそれだ。2020年度も惹かれる人選になっている。
今年度は3回のステージ。第28回(7/3)にはギターの斎藤優貴が登場。5歳からギターを始め、国内で研鑽を積んだ後、フランツ・リスト・ワイマール音楽大学でリカルド・ガレンに師事している。メルボルン国際などで第1位を獲得した他、これまでに様々なコンクールで29もの賞を獲得。これは日本人ギタリストとしては最多受賞数となるそうだ。武満徹 「フォリオス」、藤倉大「スパークス」、レゴンティ「アリアと変奏第2番」など、多彩なギター曲に挑戦する。
つづいて第29回(12/15)に登場するのはパーカッションの樋渡希美。東京音楽大学卒業後、17年からはドイツに渡り、シュトゥットガルト音楽演劇大学で学ぶ。三木稔「マリンバ・スピリチュアル」、シェルシ「Ko-tha1」などの作品で、打楽器界のホープと呼ばれるその実力を披露。
第30回(2021.3/17)にはすでに読売日本交響楽団などと共演し、クオリティの高さで話題のヴァイオリニスト、小林壱成が出演。ショーソン「詩曲」、サン=サーンス「ヴァイオリン・ソナタ第1番」などの作品で、現在ヨーロッパで磨いているその音楽性を示す。
明日の音楽界を担う逸材たちの演奏に注目したい。
文:片桐卓也
(ぶらあぼ2020年5月号より)
*新型コロナウイルス感染症拡大を考慮し、第28回公演は中止となりました(5/29主催者発表)。
詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。
第28回 2020.7/3(金)
第29回 2020.12/15(火)
第30回 2021.3/17(水)
各日19:00 紀尾井ホール
問:紀尾井ホールチケットセンター03-3237-0061
https://kioihall.jp