有名指揮者の指名も多い注目の才媛が再来日
南イタリアの古都レッチェの音楽一家に生まれ育った、ピアニストのベアトリーチェ・ラナ。2012年浜松国際ピアノアカデミーのアカデミーコンクールで牛田智大と優勝をわけ、さらに翌13年のヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで銀メダルと聴衆賞に輝き、聴き手の心を掴むピアニストであることを証明した。入賞時はまだ20歳だったが、彼女はこの銀メダルを機にコンクール生活は終えると宣言して国際的なキャリアをスタート。長年コンクールを受け続ける若者が多い中、彼女はほんの数年のコンクール生活で、あっという間に音楽界での立ち位置を確立したといえる。伸びやかで情熱的な音楽が魅力のピアニストだ。
そんなラナが、2017年に日本での正式なリサイタルデビューを果たしたトッパンホールの舞台に、再び立つ。前回はバッハ「ゴルトベルク変奏曲」一本勝負という選曲でピアニストとしての度量の大きさを見せたが、一転、今回はバラエティに富んだプログラム。バッハのイタリア協奏曲にはじまり、シューマンのピアノ・ソナタ第3番、アルベニス「イベリア」第3集、そしてストラヴィンスキーの「『ペトルーシュカ』からの3楽章」と、時代、地域ともに異なる作品が並んだ。おおらかな音楽性の背後にある、作曲家への共感、表現の幅の広さが発揮されるだろう。
いずれも、彼女の生き生きとして輝かしい音が似合うプログラムばかり。大いに期待できそうだ。
文:高坂はる香
(ぶらあぼ2020年3月号より)
*新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、本公演は中止となりました。(2/28主催者発表)
詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。
2020.3/10(火)19:00 トッパンホール
問:トッパンホールチケットセンター03-5840-2222
http://www.toppanhall.com