フランチェスコ・トリスターノ(ピアノ) グレン・グールドへのオマージュ/東京ストーリーズ

曲名を聞くだけで好奇心がそそられるステージ

©Ryuya Amao

 現在のクラシック・ピアノ界きっての鬼才といえば、トリスターノで決まりだろう。バッハと、自作を含む現代音楽を両輪に、テクノにも大きな比重を置いて軽やかにジャンルを飛び越えてみせる。急遽決定した11月のリサイタルは、第Ⅰ部「グレン・グールドへのオマージュ」、第Ⅱ部「東京ストーリーズ」という構成が発表済み。“鬼才”の先輩グールドへのオマージュは、2017年に坂本龍一のプロデュースで行なわれたグールドの生誕85周年トリビュート・コンサートで、トリスターノが弾いた曲目の再現。後半は今年リリースされたアルバム収録曲からのセレクション。すでに数十回来日しているという彼は、銭湯に通い、秘湯巡りをするほどの親日家で、曲名も、「ホテル目黒」「中目黒第三橋」「代々木リセット」「乃木坂」とユニークだ。が、予定はあくまで予定。最終的なセット・リストは当日会場でのお楽しみなのだとか。何を聴かせてくれるんだ? ワクワクは、彼が鍵盤に指を下ろす瞬間まで続く。
文:宮本 明
(ぶらあぼ2019年11月号より)

2019.11/4(月・休)14:00 東京芸術劇場 コンサートホール
問:サンライズプロモーション東京0570-00-3337 
https://sunrisetokyo.com/