ピエール・ダミアーノ・ペレッティ パイプオルガンコンサート

イタリアの巨匠がオルガンの可能性を最大限に引き出す

 パイプ数3,636本の大規模オルガンの響きが約500席のほどよい空間を満たす府中の森芸術劇場ウィーンホール。今回、イタリア・ヴィチェンツァ生まれで、現在ウィーン国立音楽大学の教授を務める現代の巨匠ピエール・ダミアーノ・ペレッティが聴かせるのは、自らの出自を巧みに映した「ウィーンとイタリアの音楽」だ。たとえば、即興風の技巧的作品を指すイタリア語「トッカータ」の代名詞的存在、バッハの「トッカータとフーガ BWV565」。晩年のモーツァルトがウィーンで自動オルガンのために書いた、壮大でシリアスな音楽「ファンタジー ヘ短調 K.608」。ペレッティ自ら編曲を手がけたリストの交響詩「オルフェウス」はウィーンの宮廷楽長として活躍したグルックのオペラ《オルフェオとエウリディーチェ》上演のために、その序曲として書いた作品(ハープの片岡詩乃との共演)。パイプ個々のキャラクターから壮麗な強奏まで、オルガンの魅力をフルに味わい尽くすプログラムだ。
文:宮本 明
(ぶらあぼ2019年9月号より)

2019.10/12(土)14:00 府中の森芸術劇場 ウィーンホール
問:チケットふちゅう042-333-9999 
http://www.fuchu-cpf.or.jp/theater/