日本モーツァルト協会 第606回 演奏会

グラン・パルティータの編曲版も! 色とりどりの室内楽を楽しむ

渡辺克也
C)Kiyoshi Kamatani
 夭折した天才作曲家の音楽の本質に迫ろうと、研究者や愛好家で組織され、60年以上にわたって活動を続けている日本モーツァルト協会。第606回の例会(演奏会)に、ドイツ・ベルリンを拠点に活躍するオーボエの名手、渡辺克也が登場し、珍しい五重奏版による「グラン・パルティータ K.361」をはじめ、珠玉の室内楽作品を披露する。

 東京藝大在学中に新日本フィルに入団、1990年に日本管打楽器コンクールを制して渡独、ベルリン・ドイツ・オペラ管などを経て、現在はソリスツ・ヨーロピアンズ・ルクセンブルクで首席を務める渡辺。今回は漆原朝子(ヴァイオリン)、松実健太(ヴィオラ)、向山佳絵子(チェロ)、鷲宮美幸(ピアノ)という豪華な顔ぶれと共演する。

 ピアノ四重奏とオーボエの編成による「グラン・パルティータ」は、ハンブルクで活躍した作曲家、C.F.G.シュヴェンケ(1767〜1822)の編曲。13の楽器で紡がれる原曲とは異なる、新たな魅力が発見できそう。さらに、「オーボエ四重奏曲ヘ長調 K.370」でも渡辺の美音を堪能。30歳で書かれた傑作「ピアノ四重奏曲変ホ長調 K.493」も添える。
文:寺西 肇
(ぶらあぼ2019年1月号より)

2019.2/19(火)18:45
東京文化会館(小)
問:日本モーツァルト協会03-5467-0626
http://www.mozart.or.jp/