名門ウィーン・フォルクスオーパーほか国内外の歌劇場に出演を重ね、コンサートのステージやメディアへの出演でも活躍めざましい日本屈指のソプラノ。メジャーデビュー10周年で10枚目となる記念アルバムは、長年温めてきた《椿姫》のナンバーで幕を開ける王道オペラ・アリア集。信頼厚いラルフ・ワイケルトの指揮でチェコのブルノ・フィルとの録音が実現。表情豊かで可憐な歌唱が、真摯に愛を貫くヒロインたちのドラマに生命を吹き込んでいる。特に2013年の新国立劇場・初演でも務めた《夜叉ヶ池》の百合役の儚くも美しいアリアには鬼気迫るものさえ感じられる。
文:東端哲也
(ぶらあぼ2019年2月号より)
【information】
CD『ARIA 花から花へ〜オペラ・アリア名曲集/幸田浩子』
ヴェルディ:《椿姫》〜さようなら、過ぎ去った日々の美しく楽しい夢よ/プッチーニ:《ラ・ボエーム》〜ええ、私はミミと呼ばれています/モーツァルト:《魔笛》〜ああ、私は感じます、消えてしまったのね/香月修:《夜叉ヶ池》〜百合のアリアと子守歌 他
幸田浩子(ソプラノ)
ラルフ・ワイケルト(指揮)
チェコ国立ブルノ・フィルハーモニー管弦楽団
日本コロムビア
COCQ-85445 ¥3000+税