都響の首席奏者・高橋の当レーベル3枚目のソロ・アルバム。クラシック作曲家のオペラやミュージカル作品を中心に、トランペットの“歌”を聴かせる内容だ。彼はさすが日本を代表する奏者だけあって、全体にブリリアントかつマイルドな音色で、ナチュラルな演奏を展開している。《カルメン》や『ウエスト・サイド〜』のおなじみのメロディも新鮮に響き、フランセの「陽気なパリ」は実にお洒落。最後のガーシュウィンのナンバーにはうっとりとさせられる。長年コンビを務める野田清隆のピアノも的確に助演。金管のCDには珍しく、肩肘張らずに楽しめる1枚。
文:柴田克彦
(ぶらあぼ2018年12月号より)
【information】
CD『トランペット・シング!/高橋敦&野田清隆』
ビゼー(カランド編):組曲「カルメン」/アーバン:ヴェルディの歌劇《シチリア島の夕べの祈り》による華麗な幻想曲/フランセ:陽気なパリ/ジョン・ウィリアムズ:ウィズ・マリス・トゥワード・ノン/バーンスタイン:『ウエスト・サイド・
ストーリー』より/ガーシュウィン(トゥリン編):サムワン・トゥ・ウォッチ・オーヴァー・ミー 他
高橋敦(トランペット)
野田清隆(ピアノ)
オクタヴィア・レコード
OVCC-00146 ¥3000+税