クリスマス・オルガン・コンサート クリスマスはオルガンだ! 2018

聖夜に響くオルガンと金管の妙なる調べ


 温かくてダイナミックなパイプオルガンの調べこそ、聖夜に聴くのに最も相応しい。愛知県芸術劇場コンサートホールの好評シリーズ「クリスマス・オルガン・コンサート」が、ホールのリニューアルに伴う休止を経て、2年ぶりに“復活”へ。このステージは、地元・豊田市出身で、11月に同劇場オルガニストに就任した、都築由理江のデビュー公演ともなる。
 同ホールのオルガンは、ドイツ・ベルリンのカール・シュッケ社が製作した、パイプ総数6883本を誇る国内最大級の楽器。このシリーズでは、そのダイナミックで表現力に富んだ音色を、異なる楽器との共演などを通じて堪能させてきた。東京藝大・同大学院からウィーン国立音大に学んだ都築は昨年、イタリアのピストイアで開催された第5回アガティ・トロンチ国際オルガンコンクールで、2位入賞を果たした、気鋭の実力派だ。
 今回は、新日本フィルハーモニー交響楽団の首席トランペット奏者、服部孝也が共演。エベン「金の窓」やシャルパンティエ「テ・デウム」から前奏曲などを、たおやかなオルガンの響きをバックに、輝かしい音色で披露する。もちろん、バッハ「主よ、人の望みの喜びよ」やブクステフーデ「暁の星のいと美しきかな」、シューマン「バッハの名による6つのフーガ」から第1番など、オルガンのソロも堪能できる。
 また、2月8日には同ホールで、ロシアの名門・サンクトペテルブルク音楽院のオルガン学部長を務め、国際的に活躍する名手、ダニエル・ザレツキーを迎えての「バレンタイン・オルガンコンサート」も開かれる。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2018年12月号より)

2018.12/21(金)19:00、12/22(土)14:00 愛知県芸術劇場コンサートホール
問:愛知県芸術劇場052-971-5609 
http://www.aac.pref.aichi.jp/gekijyo/