明日を担う音楽家たち 文化庁在外研修の成果

新世代のきらめく才能をコンチェルトで聴く

 音楽界の未来を拓く若手演奏家たちが、文化庁の新進芸術家海外研修制度による研鑽の成果を披露する『明日を担う音楽家たち』。今回は、川田修一(トランペット)、宮西純(テューバ)、大野若菜(ヴィオラ)、上村文乃(チェロ)、入江一雄(ピアノ)という5人の俊英たちが、大井剛史指揮の新日本フィルハーモニー交響楽団をバックに、瑞々しい響きを紡ぐ。
 まずは、テレマンの協奏曲ニ長調に挑む川田。国立音大を経て、ドイツのカールスルーエ音大で巨匠ラインホルト・フリードリッヒの薫陶を受け、複数の精鋭アンサンブルで活躍している。
 ヴォーン・ウィリアムズの協奏曲を演奏する宮西は、東京音大を卒業後、台湾国家交響楽団に入団。2014年からヴェルサイユ音楽院最高課程に学び、最優秀で修了、現在は台湾国家響で首席を務める。
 東京芸大付属高在学中の11年、ブラームス国際コンクールを制して話題となった大野。翌年からドイツのベルリン国立ハンス・アイスラー音大に学び、15年からはベルリン・フィルのアカデミーに在籍。今回は、バルトークの協奏曲を弾く。
 チャイコフスキー「ロココ風の主題による変奏曲」を披露する上村は、多くの登竜門で実績を重ね、桐朋学園大やドイツのハンブルク音楽演劇大を経て、現在はスイスのバーゼル音楽院で研鑽を積む。
 そして、東京芸大・同大学院からロシア国立モスクワ音楽院で名手エリソ・ヴィルサラーゼに師事、ソリストとして活躍中の入江。プロコフィエフの協奏曲第1番と対峙する。
文:笹田和人
(ぶらあぼ 2017年2月号から)

2/8(水)19:00 東京オペラシティ コンサートホール
問:日本オーケストラ連盟03-5610-7275
http://www.orchestra.or.jp/