テイツィアーナ・ドゥカーティ(ソプラノ)

ベルカント唱法の真髄を極める

 世界最難関と言われるヴェルディ国際をはじめ、名だたる声楽コンクールで「出場すれば優勝」と言われたほどの輝かしい実績を残し、母国イタリアはもとより、ヨーロッパ中の檜舞台で活躍を続けているソプラノのテイツィアーナ・ドゥカーティ。日本の音楽ファンの前に降り立ち、神が与えた至宝と言うべき奇跡の美声を、たっぷりと披露する。
 紀尾井ホールでのステージは、ドイツを拠点に国際的に活躍する実力派ピアニストの山口研生が共演。ベッリーニの歌劇《ノルマ》より〈清らかな女神よ〉、プッチーニの歌劇《蝶々夫人》より〈ある晴れた日に〉などイタリアの数々の名アリアに、ベッリーニの作品に触発されて書かれたリスト「ノルマの回想」など、山口がピアノ・ソロ曲を添える。大空へ羽ばたく高音域、豊かに響く低音域。そして、全てを包み込むようなフォルティッシモに、囁きつつも決して芯を失わないピアニッシモ。伝統を受け継ぐベルカントの幅広い表現力に、身も心も委ねてしまいたい。
文:笹田和人
(ぶらあぼ 2016年10月号から)

10/29(土)15:00 紀尾井ホール
問:テイツィアーナ・ドゥカーティ後援会080-2744-1015