株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)は12月23日(水)から、DSD5.6MHzをはじめとするハイレゾ音源でのライブ・ストリーミングサービス「PrimeSeat」を開始する。
IIJはこれまで、KORG、Saidera Paradiso、ソニーと共同で、東京・春・音楽祭、ベルリン・フィルなどのハイレゾによるライブ・ストリーミングの配信実験を行ってきたが、正式に音楽配信事業に参入する。商用サービスとしては初。
当面のサービスは演奏会のライブ配信、オンデマンド配信、インターネットラジオの3つ。
インターネットラジオでは、PrimeSeatスペシャル『「宇宙に一番近い島」種子島紀行』と題して、H2Aロケットの打ち上げ音(12/31 21:00〜)を、PrimeSeat Salon「ミカラ・ペトリ&西山まりえ」(12/23 22:00〜、12/24 22:00〜)では、リコーダー界の女王、ミカラ・ペトリの演奏会(12月18日、表参道のhall60(ホールソワサント)でのDSDライブ録音)を2回に分けてDSD5.6MHzの超高音質で放送するほか、各種コンサートや近代文学を中心とした作品の朗読、自然音、鉄道の音など、多彩なコンテンツを予定している。
DSD5.6MHzは、アナログの音源をデジタルに変換する際の変換方式の一種。サンプリング周波数は音楽CDの128倍に及び、アナログ音声を圧縮せず忠実に再現するため、自宅にいながらコンサート会場で聴いているような臨場感あふれる高品質な音を楽しむことが可能で、ハイレゾ音源配信のフォーマットとして普及しつつある。しかし、これまではそのデータ量の多さから、インターネットを利用したストリーミング配信には困難が伴い、主にダウンロード形式での配信サービスが主流だった。
IIJはこれまでの配信実験の結果をうけ、今後の新たな音楽市場の開拓と配信サービスの推進を目的に、株式会社コルグ(KORG)と提携し、配信プラットフォームの開発を共同で進めてきた。視聴用のソフトウェア「PrimeSeat」(無料)は、KORGが開発、提供する。
DSD音源でのハイレゾ試聴にはPC(Windows/Mac)*と専用ソフトウェア「PrimeSeat」*、対応DAC*が必要となるが、DACがない環境でも、端末機器の再生能力に応じた音質(44.1kHz、96kHzなど)に自動コンバートして再生される。
*1
●Windows
OS:7 Service Pack 1以上
CPU:Core 2 Duo 2.66GHz 以上推奨。
RAM:2GB以上
オーディオ・デバイス:WASAPIまたはASIOに対応したオーディオ・デバイス
※ DSDネイティブ再生には、ASIO DSDモードに対応したオーディオ・デバイスが必要
●Mac OS X
OS:Mac OS X 10.8以上
CPU:Core 2 Duo 2.4GHz以上推奨。
RAM:2GB以上
オーディオ・デバイス:Core Audioに対応したオーディオ・デバイス
※ DSDネイティブ再生には、KORG DS-DACシリーズ、またはDoP(DSD over PCM Frame)に対応したオーディオ・デバイスが必要
●ネットワーク
おおむね12Mbps以上の安定した通信速度でインターネット接続が可能なこと。
・有線LAN接続を推奨。
・HTTP Proxyには非対応(今後対応予定)
・ADSLやモバイルなどの低速の回線では再生不可
*2
●専用ソフトウェアPrimeSeat v1.3.0(無料)
「PrimeSeat 」公式サイトからダウンロード
*3
●動作確認済みオーディオ・デバイス
・KORG DS-DAC-10
・KORG DS-DAC-100
・KORG DS-DAC-100m
・KORG DS-DAC-10R
(*PrimeSeat v.1.1.0betaからDAC制限を解除。そのため、上記動作確認済み以外のDACでも試聴できる場合があるが、IIJでは保証外としている。なお、今後、動作確認を行ったDACは、順次公式サイトに掲載される予定)
■「PrimeSeat 」の楽しみ方
http://primeseat.net/ja/introduction/
■「PrimeSeat 」公式サイト
http://primeseat.net/
【関連記事】
●ショパン・コンクール入賞者コンサートをハイレゾライブ配信
●東京春祭が大野&都響のベルリオーズ《レクイエム》ほかをオンデマンド配信、一部ハイレゾも
●東京春祭とベルリン・フィルが、ハイレゾ音源によるライブ・ストリーミング配信
●コルグがDSDレコーディング可能なUSB-DAC/ADCを発表、「AudioGate」も新開発