角田鋼亮の指揮で金沢初開催!
──RMF30周年プロジェクト第11弾に郷古廉とOEKが登場

©Makoto Kamiya

 ローム ミュージック ファンデーション(RMF)では、2021年の設立30周年を機に、地元楽団が出演するオーケストラ公演を全国で年数回開催している。その第1回(23年1月・京都)を担当したのが、現在セントラル愛知響の音楽監督を務める期待株・角田鋼亮。彼は、6月に行われる当シリーズの第11回「プレミアム・コンサート in 金沢」に出演し、オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)を指揮する。本公演は、RMFが支援に関わった若手音楽家「ローム ミュージック フレンズ」(26年4月現在5,138名)の出演も通例。角田も「このご時世にこうした公演の開催や若手音楽家の支援をされているのは素晴らしいこと」と功績を称える。

 金沢では初の開催だが、角田とOEKとの付き合いは長い。

「この10数年間、ほぼ毎年といってよいほど共演しています。室内楽的な緻密さがあり、楽団員個々の高い音楽性を感じるオーケストラ。指揮者のアイディアを含めて皆で音楽を作っていく雰囲気があります。国際性を持つと同時に、金沢にしかない音楽作りや和楽器との融合も特徴。その意味でも岩代さんの作品を演奏するのは意義あることだと思います」

 1曲目の岩代太郎「東風慈音ノ章」は、財団設立30周年の委嘱作品で、角田が初演した第1回から必ず演奏されている。

「祝典的な雰囲気もありながら荘厳で、神社仏閣の儀式を思わせる作品。日本人の心の奥底に共鳴し合うような曲で、西洋の楽器を邦楽器のように使って和の雰囲気が醸成されます」

 2曲目はブラームスのヴァイオリン協奏曲。RMFの奨学生で、ソリスト&N響第1コンサートマスターとして人気を集める郷古廉がソロを弾く。

「これまで2回共演している大好きなヴァイオリニストの一人。私がN響を指揮した3回すべて彼がコンサートマスターだったので縁も感じますね。武士のような信念を持って誠実に音楽と向き合っている印象があり、ブラームスもすごく似合います。彼はオーケストラの全声部が頭に入っていますから、ソロと管弦楽が濃密に絡み合うこの曲を一緒に作れるのが楽しみです」

 後半はチャイコフスキーのバレエ音楽「眠りの森の美女」と「白鳥の湖」の組曲。

「オーケストレーションの妙味や色々なキャラクターのある『眠り』と、力強く直情的な『白鳥』の対比や変化を楽しんでいただけます。『白鳥』の後半は『ハンガリーの踊り』『マズルカ』といった東欧の舞曲が中心。これはハンガリー的なブラームスの協奏曲の終楽章と連動させています」

 「クラシックに馴染みのない方も身を置くだけで楽しめる」と語るこの公演。司会者もいてチケット料金も手頃ゆえに、皆こぞって足を運びたい。

取材・文:柴田克彦

ROHM MUSIC FOUNDATION 30TH ANNIVERSARY PROJECT Vol.11
オーケストラ・アンサンブル金沢 プレミアム・コンサート in 金沢
2026.6/27(土)15:00 石川県立音楽堂 コンサートホール 【配信あり】
問:オーケストラ・アンサンブル金沢 076-232-0171
https://www.rmf.or.jp/jp/30th-project/


柴田克彦 Katsuhiko Shibata

福岡県生まれ。音楽マネージメント勤務を経て、フリーの音楽ライター・評論家&編集者となる。雑誌、コンサート・プログラム、Web、宣伝媒体、CDブックレットへの、取材・紹介記事や曲目解説等の寄稿、プログラム等の編集業務を行うほか、講演や講座も受け持つなど、幅広く活動中。著書に『山本直純と小澤征爾』(朝日新書)、 『1曲1分でわかる! 吹奏楽編曲されているクラシック名曲集』(音楽之友社)。