都響&オスモ・ヴァンスカ、待望のシベリウス交響曲シリーズ第2弾!

オスモ・ヴァンスカ ©Lisa-Marie Mazzucco

 コロナ禍で2度にわたって公演がキャンセルとなったオスモ・ヴァンスカは、2023年10月に都響の指揮台に初めて姿を現した。フィンランドが誇る名匠がこのとき取り上げたのは、シベリウスの交響曲第5番から第7番までの3曲。プログラム前半の第5番こそ、初顔合わせならではのスリリングな運びだったが、後半は響きが一つになり、力強さと繊細さを共存させた演奏に胸が熱くなった。

 彼らの演奏で、シベリウスの他の交響曲もぜひ聴いてみたい。ホールを埋め尽くした人たちは一様に思ったに違いない。そんな願いがようやく叶う。

 今回は、シベリウスの交響曲第1番と第4番を組み合わせた魅力的なプログラムだ。シベリウスの国民楽派としての側面を余すことなく伝える第1番。そして、この作曲家ならではのオーケストレーションがもっとも鮮烈に表現された第4番。若々しさがあふれる前者と、深遠にして峻厳、緊張感が全体に漂う後者とのコントラストも興味深い。

 自身がフィンランドの地方オーケストラから世界レベルまで引き上げたラハティ交響楽団、そしてミネソタ管弦楽団とによる、2つのシベリウスの交響曲全集録音を完成させたヴァンスカ。透明感を強く意識させるバランスや、明快なリズム感、歯切れよいフレージングなど、妥協を許さない確固とした音楽が持ち味だ。二回目となる都響との共演では、どこまで深化したシベリウスを聴かせてくれるのだろう。

文:鈴木淳史

(ぶらあぼ2026年3月号より)

オスモ・ヴァンスカ(指揮) 東京都交響楽団
第1040回 定期演奏会 Cシリーズ

2026.3/26(木)14:00 東京芸術劇場 コンサートホール
都響スペシャル
2026.3/27(金)19:00 サントリーホール
問:都響ガイド0570-056-057 
https://www.tmso.or.jp


鈴木淳史 Atsufumi Suzuki

雑文家/音楽批評。1970年山形県寒河江市生まれ。著書に『クラシック悪魔の辞典』『背徳のクラシック・ガイド』『愛と幻想のクラシック』『占いの力』(以上、洋泉社) 『「電車男」は誰なのか』(中央公論新社)『チラシで楽しむクラシック』(双葉社)『クラシックは斜めに聴け!』(青弓社)ほか。共著に『村上春樹の100曲』(立東舎)などがある。
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