飯森範親&パシフィックフィルが“吹奏楽のまち”東京都小平市でニューイヤーコンサートを開催!

左:飯森範親(c)山岸伸
右:鈴木舞(c)Yukiko Shibuya

 独自の企画により存在感を示しているパシフィックフィルハーモニア東京(PPT)。同楽団による小平市でのニューイヤーコンサートも聴き手を楽しませる工夫が盛りだくさんだ。小平市は「吹奏楽のまち」として知られ、学生や社会人による多くの吹奏楽団体が盛んに活動している。とくに小平市立小平第三中学校は、2025年の全日本吹奏楽コンクール中学校の部において東京都唯一の金賞校となった。

 コンサートはまず、PPTによるヴェルディの歌劇《アイーダ》の凱旋行進曲で幕開け。華々しいトランペットの響きは新春の空気にもふさわしい。1954年初演のショスタコーヴィチ「祝典序曲」は現代でも新しさを感じさせる名作で、この曲でも金管楽器の大活躍が聴かれることだろう。ボロディンの歌劇《イーゴリ公》からはリズミカルな合奏部分とオーボエによる東洋的な哀愁漂う旋律で人気の「だったん人の踊り」が披露される。そして最後はJ. シュトラウスⅡ世の「美しく青きドナウ」で本場ウィーンの雰囲気が会場を包む。

 これらを挟んで、長らくドイツで経験を積んできた若手ヴァイオリン奏者・鈴木舞を迎え、難曲のメンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲」とラヴェル「ツィガーヌ」まで演奏されるのは、かなりの大盤振る舞いといえる。また、小平市の中高生吹奏楽部との共演も予定されているそうで、この演奏を通じて未来の有望な音楽家や音楽愛好家が育まれることも期待される、密度の濃い注目公演だ。指揮は同楽団音楽監督の飯森範親。

文:近松博郎

パシフィックフィルハーモニア東京
ニューイヤーコンサート2026 in こだいら
2026.1/17(土)14:00 ルネこだいら(小平市民文化会館)


出演
飯森範親(指揮) パシフィックフィルハーモニア東京
鈴木舞(ヴァイオリン)
小平市の中高生吹奏楽部

プログラム
ヴェルディ:歌劇《アイーダ》より「凱旋行進曲」
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 op.64
ショスタコーヴィチ:祝典序曲 op.96
ボロディン:歌劇《イーゴリ公》より「だったん人の踊り」
ラヴェル:ツィガーヌ
J.シュトラウスII世:ワルツ「美しく青きドナウ」

問:パシフィックフィルハーモニア東京03-6206-7353
https://ppt.or.jp