神奈川フィルハーモニー管弦楽団 県民名曲シリーズ第21回 踊れ! 第九

躍動する「歓喜の歌」が五感を刺激する!

左:森下真樹 ©RYO OHWADA
右:現田茂夫 ©K.Miura

 今年は、ベートーヴェンの交響曲第9番「合唱付き」が1824年5月7日にウィーンのケルントナートーア劇場で初演されてから、ちょうど200年にあたる。それを記念し、神奈川フィルハーモニー管弦楽団が、6月15日に県民名曲シリーズ第21回として、コンテンポラリーダンサー森下真樹らと「踊れ! 第九」を上演する。

 これまでにもベートーヴェンの交響曲第5番「運命」などを踊ってきた森下ではあるが、今回の「第九」では5人のダンサー(森下スタンド ルードヴィヒ5:伊藤奨、黒田勇、中村駿、中村理、山口将太朗)とともに全楽章で群舞を披露する。そしてそれだけでなく、合唱団や独唱者も踊るという。

 指揮は、神奈川フィル名誉指揮者の現田茂夫。息の合った演奏を聴かせてくれるに違いない。合唱の神奈川ハーモニック・クワイアは、神奈川フィルとの共演のために結成されたプロフェッショナルな合唱団。昨年末の「第九」でも、少数精鋭による精度の高い迫力ある合唱を聴かせてくれた。そして独唱も合唱団のメンバーが担う。

 「第九」初演200周年を踊って祝うこの公演は、ベートーヴェンへの21世紀からのオマージュということができるであろう。身体表現と結びついた歓喜は、聴き慣れたこの作品に対して、新たな発見や気づきをもたらすに違いない。現田&神奈川フィルと森下とのコラボレーション、まさに興味津々の6月の「第九」である。
文:山田治生
(ぶらあぼ2024年6月号より)

2024.6/15(土)17:00 神奈川県民ホール
問:神奈川フィル・チケットサービス045-226-5107 
https://www.kanaphil.or.jp