務川慧悟ら出演者4名が子どもたちからの質問に回答
第41回 横浜市招待国際ピアノ演奏会(11/3)の関連イベントとして、出演者と小・中学生との交流会「ピアニストってどんな人?」が11月2日、横浜みなとみらいホール内で行われ、務川慧悟ら4名とピアノが好きな24人の子どもたちが参加した。
横浜市招待国際ピアノ演奏会は、将来を期待される才能を発掘し広く紹介することを目的に、横浜みなとみらいホールで毎年秋に開催されている。1982年にスタートし、これまでに28ヵ国、180人を超えるピアニストを紹介してきた。
出演者は国際コンクールで2回以上の入賞歴がある35歳以下のアーティストを対象に世界中から募っており、企画委員長の海老彰子をはじめとした企画委員が選定にあたる。
第41回の出演者は以下のとおり。
アンナ・ライレル(ロシア/オーストリア):リヨン国際ピアノ・コンクール第2位
アルテム・クズネツォフ(ロシア ※在米):サンレモRPM国際ピアノコンクール第1位
イェーデン・イジク=ドズルコ(カナダ):マリア・カナルス国際音楽コンクール第1位
務川慧悟(日本):ロン=ティボー=クレスパン国際コンクール第2位
交流会では、冒頭に出演者それぞれが演奏を披露。目の前で繰り広げられる演奏を、子どもたちは前のめりになって聴いていた。
【演奏曲】 アンナ・ライレル/ リスト:ハンガリー狂詩曲第6番 アルテム・グズネツォフ/ チャイコフスキー(プレトニョフ編):バレエ『くるみ割り人形』より「金平糖の精の踊り」「ロシアの踊り」 イェーデン・イジク=ドズルコ/ フォーレ:無言歌第3番 op.17、スクリャービン:エチュード第12番 op.8 務川慧悟/ ドビュッシー:前奏曲集第2集より「花火」
演奏後、子どもたちから思い思いの質問が投げかけられた。
「ピアニストになろうと思ったきっかけ」や「小学生の時の練習時間」などの素朴な疑問に出演者は丁寧に答えていた。
今年の出演者の中で唯一の日本人となった務川は会の最後、子どもたちに向けて、「一生懸命音楽に向きあった経験は絶対、将来生きると思う。苦しい時も、好きな音楽のことを考えながら頑張ってほしい」と語りかけた。
交流会の後には取材会が行われた。ここで務川は、イベントに参加した所感と、クラシックに興味を持ってもらうための取り組みについても語った。
「子どもたちに生で演奏を聴かせたり、語りかけたりすることはとても大事だと思います。僕も、小・中学生の頃に聴いた演奏や人の言葉は今でもすごく残っていて、その後の人生に影響しました。だから、このイベントに参加できてとても嬉しいですし、今後は僕が教わったことを次の世代に伝えていくことも、目標のひとつとして取り組みたいです。
クラシック音楽の世界は深く素晴らしいですが、その入口は難しくなく、簡単に入れるのが理想だと思っています。僕自身は演奏会で作品に対する思いを話したり、SNSで発信するようにしていて、それがクラシック音楽をより好きになるきっかけになればいいと思っています」
盛況のうちに終了した今年の横浜市招待国際ピアノ演奏会。今後この交流会での体験がきっかけで世界を目指すピアニストが現れるかもしれない。
横浜みなとみらいホール
https://yokohama-minatomiraihall.jp