本番直前、指揮の横山奏をむかえてのリハーサルをレポート
取材・文:編集部
来たる9月16日、みなとみらいホールで神奈川フィルと中学生が共演する「ヨコハマ・ネクストコンサート2023」が行われる。「人生を豊かにする『輝く体験』を、音楽の創造を通じて子どもたちに体験してほしい」という思いから生まれた企画。今後、神奈川フィルが横浜18区それぞれの子どもたちと共演を行なっていく。
その記念すべき第1回を飾るのは神奈川フィルの練習拠点があるまさに地元から保土ケ谷中学校 吹奏楽部が登場する。
本番を控えた9月9日、このコンサートの指揮を務める横山奏が保土ケ谷中学校にやってきてリハーサルが行われた。前の週には、神奈川フィルのメンバーが訪ねての練習も行われており、この日は本番前の総仕上げ。プロと共演するコンサートということで、リハーサルもプロ仕様でかなり細かい。
「一つひとつの音に意味があるんだよ。この音がどこに向かっていくのかちゃんとイメージして!」
「飛び出しちゃったらあとで謝ればいい。でも音を出さなかったら音楽をやっている意味がなくなってしまうよ。こわがらないで」
横山の熱のこもった声に生徒が必死にくらいついていく。
厳しい練習を終えて生徒に話を聞くと、意外にも笑顔で返事が返ってきた。
「みなとみらいホールという大きな舞台で、たくさんのお客さんの前で演奏できるのがうれしい」
「プロのオーケストラと共演できるなんて普通できることではないから本当に楽しみ!」
きっと何かをつかんだ手応えがあったのだろう。
目を輝かせて本番への期待を話していた。
横山は、この演奏会の聴きどころについて次のように語る。
「中学生だからといってクオリティを落とすことは考えていないです。限界はあるかもしれないけど、そこは神奈川フィルの力を借りて“ホンモノ”を体験させてあげたい。子どもたちがプロのオーケストラと一緒に本気になって演奏しているというのが見どころ。きっといい雰囲気のコンサートになると思います」
保土ケ谷中 吹奏楽部は86名。本番ではその全員がステージにあがるという。みなとみらいホールという大きなステージでプロの指揮者、プロのオーケストラと一緒に演奏するという夢のような舞台、子どもたちにとって一生の思い出になる瞬間を見届けよう。
※この公演のリハーサル、本番の様子は次回のぶらあぼブラス!で特集します。
ヨコハマ・ネクストコンサート2023 Meets 保土ケ谷区
2023.9/16(土)16:00 横浜みなとみらいホール
出演:
横山奏(指揮)
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
横浜市立保土ケ谷中学校吹奏楽部
石田泰尚(ヴァイオリン)
ふかわりょう(ナビゲーター)
第1部
1.神奈川フィルによるファンファーレ
大橋晃一/ブルーダル・プレリュード(金管十重奏版)
2.保土ケ谷中学校吹奏楽部ステージ
宮下秀樹/ポロネーズとアリア~吹奏楽のために~
レハール(鈴木英史編曲)/喜歌劇「微笑みの国」セレクション
馬飼野康二(野崎雅久編曲)/勇気100%
3.石田泰尚 × 保土ケ谷中学校吹奏楽部
大橋晃一編曲/ジェラシー
真島俊夫編曲/君の瞳に恋してる
第2部
4.神奈川フィルステージ
グリーグ/ホルベルク組曲(ホルベアの時代から)より“第1曲:前奏曲”“第5曲:リゴードン”
リード(ライカー編曲)/エル・カミーノ・レアル(管弦楽版)
ストラヴィンスキー/組曲「火の鳥」1919年版より“カスチェイ王の魔の踊り”“子守唄”“終曲”
5.神奈川フィル × 保土ケ谷中学校吹奏楽部
大橋晃一編曲/横浜市歌
ヴェルディ(大橋晃一編曲)/歌劇「アイーダ」より“凱旋行進曲”
問:神奈川フィルハーモニー管弦楽団045-226-5045
https://www.kanaphil.or.jp