7月29日に開幕した第4回 Shigeru Kawai 国際ピアノコンクールは、8月1日からカワイ表参道コンサートサロン「パウゼ」で2日間にわたるセミファイナルがおこなわれ、6名がファイナルへの切符を手にした。
セミファイナルの課題は、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンのソナタから任意の1曲または変奏曲1曲、および自由曲の組み合わせで30〜40分のプログラム。フルコンサートピアノ ”SK-EX”をたっぷりと響かせた、聴き応えのあるステージが続いた。演奏終了後に、植田克己審査委員長より結果が発表された。
ファイナル進出者6名を、ファイナルの演奏曲目、演奏終了後のコメントとともに紹介する。
ガオ ミャオ Miao GAO(中国)24歳
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番 ハ長調
「セミファイナルでは、先生から変奏曲を弾くように助言があったので、新たに練習していたベートーヴェンの『エロイカ変奏曲』を選びました。もう一曲自由に選択できる曲については、時代的な観点から、ベートーヴェンを挟む形になるようにバッハ、ブソーニの2人の作曲家を選択しました。ファイナルはプロコフィエフの第3番に決めました」
今井理子 Riko IMAI(日本)22歳
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 ハ短調
「1年の延期があり、出場が決まってからかなり長い時間があったのですが、今日、ようやく弾きたいと思っていたプログラムを演奏でき、とても幸せです。アニバーサリーイヤーのラフマニノフのソナタを弾くことができたのも嬉しかったです。ファイナルもラフマニノフを弾きます」
キム ジヨン Jiyoung KIM(韓国)27歳
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番 ト長調
「スクリャービンの練習曲は人間のドラマや人生の旅路を表しているように感じられます。弾いたあとはいつも解放感を感じるのです。ファイナルのベートーヴェンの協奏曲は私にとっては「愛」をテーマにした曲。人生のすべての瞬間、すべての人を受け入れるような曲なので選びました。もし私の演奏で、せめて一瞬でも何か感じていただけたならば、私は本当に自分のやるべきことをできたのだなと思います」
佐川和冴 Kazusa SAGAWA(日本)24歳
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番 ト長調
「セミファイナルでは、ハイドンとドビュッシーとシューマンを演奏したのですが、時代ごとに自分の良さが出せるように、色々なキャラクターを持った作品を選ぶようにして、自分なりにも(それぞれの特徴を)よく表現できたかなと思ってます。ファイナルでは、華々しいヴィルトゥオーゾ系の作品がどうしても選ばれがちですが、自分はその中でも、音色や自分の音楽性をよりストレートに伝えたくて、ベートーヴェンを選びました」
ニコラス ジャコメリ Nicolas GIACOMELLI(イタリア)24歳
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調
「自分の演奏に満足しています。セミファイナルで弾いたシューマン『クライスレリアーナ』は好きな曲ですし、コンクールで楽しんで弾ける一曲でもあったので選びました。ファイナルでは、チャイコフスキーの第1番を選びました。とてもオーソドックスな選択ですが、コンクールに向いていると感じています。このコンクールに参加できてとても幸せです」
竹田理琴乃 Rikono TAKEDA(日本)29歳
ショパン:ピアノ協奏曲第1番 ホ短調
「緊張感はあったのですが、Shigeru Kawai ピアノの温かい音色に助けられて、なんとか弾き終えることができました。今は定期的なレッスンなどには通っていないので、 先生からアドバイスをもらったりすることは一切なく、自分の好きな曲を集めて、単純に弾きたい曲を選びました」
ファイナルは、8月5日(土)13時より渋谷区文化総合センター大和田さくらホールで行われる。課題曲はピアノ協奏曲だが、2台ピアノの形で行われるのが特徴で、共にモスクワ音楽院教授を務めるアンドレイ・ピサレフとパーヴェル・ネルセシヤンの二人が伴奏を務めることで、注目を集めそうだ。
ファイナル
2023.8/5(土)開場12:30 / 開演13:00 渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール
一般3,000円 学生2,000円
入賞者演奏会
2023.8/6(日)開場14:30 / 開演15:00 カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ」
全席自由3,000円
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写真提供・取材協力:Shigeru Kawai 国際ピアノコンクール
Shigeru Kawai 国際ピアノコンクール
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