第532回日経ミューズサロン キヴェリ・デュルケン & 實川風 ピアノ・デュオ・リサイタル

気鋭ピアニスト二人が2台で奏でる「春の祭典」と「巨人」

 華麗なる2台ピアノのコンサートは、長年組んでいるデュオのみならず、才気あふれるピアニスト同士によるスペシャル・コラボも多い。ドイツ出身のキヴェリ・デュルケンと、實川風によるピアノ・デュオ・リサイタルも、そうした特別な公演だ。

 デュルケンはわずか5歳でハンブルクのスタインウェイ国際コンクールで最年少優勝を飾るなど、少女時代から注目を浴びてきた実力派。實川はドイツものを中心に構築力の高い音楽作りで聴衆を魅了し、堅実なキャリアを築いている。

 そんな二人が披露するのは、実にパワフルなプログラムである。ストラヴィンスキーの「春の祭典」と、往年の名指揮者でありピアニストでもあったブルーノ・ワルター編曲の、マーラーの交響曲第1番「巨人」である。近年2台ピアノのコンサートは多いが、この重量級プログラムはなかなか聴けない。気鋭の若手二人がピアノで実現するオーケストラ的サウンドに期待が高まる。
文:飯田有抄
(ぶらあぼ2023年2月号より)

2023.3/6(月)18:30 日経ホール
問:日経公演事務局03-5227-4227 
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