ウィーン伝統のピアニズムをじっくりと味わう
中井知子は、桐朋学園大学を卒業後にウィーンで研鑽を積み、オーストリア国家演奏家資格を取得したピアニスト。日本とウィーンを中心に活躍の幅を広げており、ソロはもちろんのこと、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の元コンサートマスター、ライナー・キュッヒルの高弟であるヴォルフガング・ダヴィッドとの共演など、室内楽奏者としても注目を集める存在である。
そんな彼女が2月に東京、滋賀、さらに神戸と札幌の4ヵ所でリサイタルを行う。シューベルトのピアノ・ソナタ第13番イ長調にショパンのピアノ・ソナタ第3番ロ短調を中心とした選曲で、古典派からロマン派への音楽の変遷を音で辿るプログラムを構築。ヴィルヘルム・ケンプ、ロバート・レヴィンといった名ピアニストたちの系譜を受け継ぐ奏者の指導を受け、ウィーンの伝統的な奏法を学んだ中井。歌心にも溢れた彼女が奏でるシューベルトの演奏には、ひときわ期待が膨らむ。
文:長井進之介
(ぶらあぼ2023年2月号より)
2023.2/16(木)19:00 東京/ムジカーザ
2/18(土)14:00 滋賀/ロマンホール
2/19(日)14:00 兵庫/神戸芸術センター ショパンホール
2/26(日)14:00 北海道/ザ・ルーテルホール
問:日本楽友協会03-6277-8559
https://www.jmassoc.info