春祭ジャーナル Pick Up♪『ワーグナー』

東京・春・音楽祭公式ウェブサイトで掲載中の「春祭ジャーナル」。音楽祭のプログラムや出演アーティストの魅力を紹介する人気コーナーから、選りすぐりの記事をPick Up!

春祭ライブラリー『懐旧と望郷のプロムナード
2010年にスタートした「東京春祭ワーグナー・シリーズ」。23年は、これまでに幾度も名演を繰り広げてきたマレク・ヤノフスキ指揮NHK交響楽団が再び登場。エギルス・シリンス(ハンス・ザックス)、デイヴィッド・バット・フィリップ(ヴァルター)らキャストによる《ニュルンベルクのマイスタージンガー》が上演されます。ドイツ文学・ドイツオペラの研究者である山崎太郎さんによる記事は、映画やCMでも使用される有名な、あの「前奏曲」の解説です!

文・山崎太郎(ドイツ文学・ドイツオペラ、東京工業大学教授)

懐旧と望郷のプロムナード

 《ニュルンベルクのマイスタージンガー》前奏曲――それは喩えて言うならば、日常と非日常の境界に位置する不思議な遊歩道だ。通い慣れた近所のさんぽ道のような親しみやすさを持つ一方で、その空間に一歩足を踏み入れると現実とは違う、それでいてどこか懐かしいもう一つの世界が――あたかもジオラマのような、独自のリアルな手ざわりを帯びて――出現する。しかも、その多彩さといったら! わずか10分ばかりの短い行程のあいだに、次々と新たな旋律が立ち現れて、めまぐるしいほどに目の前の景色が移ろってゆくではないか。……

2022.3/30《ローエングリン》(c)Spring Festival in Tokyo 2022 Fumiaki Fujimoto

【関連公演】
■東京春祭ワーグナー・シリーズ vol.14
《ニュルンベルクのマイスタージンガー》(演奏会形式/字幕付)

2023.4/6(木)、4/9(日)各日15:00 東京文化会館
●出演

指揮:マレク・ヤノフスキ
ハンス・ザックス(バス・バリトン):エギルス・シリンス
ファイト・ポークナー(バス):アンドレアス・バウアー・カナバス
クンツ・フォーゲルゲザング(テノール):木下紀章
コンラート・ナハティガル(バリトン):小林啓倫
ジクストゥス・ベックメッサー(バリトン):アドリアン・エレート
フリッツ・コートナー(バス・バリトン):ヨーゼフ・ワーグナー
バルタザール・ツォルン(テノール):大槻孝志
ウルリヒ・アイスリンガー(テノール):下村将太
アウグスティン・モーザー(テノール):髙梨英次郎
ヘルマン・オルテル(バス・バリトン):山田大智
ハンス・シュヴァルツ(バス):金子慧一
ハンス・フォルツ(バス・バリトン):後藤春馬
ヴァルター・フォン・シュトルツィング(テノール):デイヴィッド・バット・フィリップ
ダフィト(テノール):ダニエル・ベーレ
エファ(ソプラノ):ヨハンニ・フォン・オオストラム
マグダレーネ(メゾ・ソプラノ):カトリン・ヴンドザム
夜警(バス):アンドレアス・バウアー・カナバス
管弦楽:NHK交響楽団
合唱:東京オペラシンガーズ
合唱指揮:エベルハルト・フリードリヒ、西口彰浩
音楽コーチ:トーマス・ラウスマン
●料金(税込)
S¥26,000 A¥21,500 B¥17,500 C¥14,000 D¥11,000 E¥8,000
U-25¥3,000(U-25チケットは2023.2/16(木)12:00発売)

【来場チケット販売窓口】
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●東京文化会館チケットサービス(電話・窓口)
TEL:03-5685-0650(オペレーター)


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