弾き振りのモーツァルトとラストとなるシューマン全曲演奏プロジェクト
1995年に三鷹市出身の指揮者・沼尻竜典の呼びかけで誕生したトウキョウ・ミタカ・フィルハーモニア(2016年トウキョウ・モーツァルトプレーヤーズから名称変更)。国内外のオーケストラのメンバーとして、またソリストとして活躍する日本の若手奏者を中心に構成され、三鷹市芸術文化センター風のホールを拠点に活動を続けている。
第85回定期は音楽監督・沼尻の指揮とピアノで、モーツァルト「ピアノ協奏曲第11番」とシューマン「交響曲第1番『春』」他が演奏される。モーツァルトのピアノ協奏曲とシューマンの交響曲は全曲演奏を目指しており、モーツァルトは年1回のペースで今回が20回目、残るは7曲。第11番はモーツァルトがコンスタンツェと結婚し最も充実していた時期の快活で美しい作品。沼尻の弾き振りで聴けるのは希少な機会でもある。シューマンは同時録音されており、今回で完結する。巧く書けていない部分が多いとも言われるシューマン独特の書法はかえって魅力がある、と語る沼尻の精彩で緻密な指揮に期待したい。
文:長谷川京介
(ぶらあぼ2022年7月号より)
第85回 定期演奏会
2022.7/30(土)15:00 三鷹市芸術文化センター 風のホール
問:三鷹市スポーツと文化財団0422-47-5122
https://mitaka-sportsandculture.or.jp