9月12日から新国立劇場で上演される、東京二期会&アン・デア・ウィーン劇場共同制作、オペラ《イドメネオ》、稽古場レポート第2弾。
今日はまず、《イドメネオ》のストーリーをおさらいしましょう。
今回のミキエレット演出では、もともとのストーリーにある舞台設定も、時代背景もすべてリセット、「どこでもない、時と場所」というコンセプトに基づいていますが、ともかくも、ストーリーです・・・
第1幕です。舞台はトロイア戦争後のクレタ島。
戦いに敗れ、クレタ島の囚われ人となっているトロイアの王女イリアはクレタ島の王子イダマンテを密かに愛しています。
一方、クレタ島の王イドメネオは凱旋の船上嵐にあったところ、海神ネプチューンに助けられます。けれどもその見返りとして海神からは「陸にあがって最初に出会ったものを生贄に捧げなければならない」と言われます。
ところがなんと、王が最初に会った人物こそ、息子イダマンテだったのです。イドメネオはイダマンテにつらくあたり、イダマンテもせっかく会えた父に絶望するのです・・・
(2014.8.12,18 都内練習所。 Photo:M.Terashi & J.Otsuka/TokyoMDE ※写真はクリックすると拡大します)
【第1幕第1場】
第1幕では、まず、囚われ人となっているトロイア人のイリアが亡き祖国の人々を想い悲嘆にくれています。
(イリア:経塚果林)
夥しい数の靴・・・
これは、トロイア人の死体を表します。積み重ねられているのは、イリアが作った祭壇。
この日は合唱も加わっての稽古が始まりました。
【第1幕第3場】
愛するイダマンテが、自分の親兄弟を殺した王イドメネオの子であることに気づいたイリアはイダマンテを非難します。それを聞いたイダマンテはトロイア人たちを集め、彼らを自由にしようと言います。
まず、立ち位置の確認
(左から、イリア:新垣有希子、演出助手:菊池裕美子、イダマンテ:山下牧子、演出補:エレオノーラ・グラヴァニョーラ)
イダマンテがトロイア人の前に姿を現すと、クレタ島の王子とわかり、みな怯え、なかには逃げ出すものも。
(左から、イリア:新垣有希子、合唱、イダマンテ:山下牧子)
次第に人々は平和を感じ、ともに喜び合います。
(左:合唱、イダマンテ:山下牧子)
(右:合唱、イダマンテ:小林由佳)
もともとの台本・楽譜にはこのシーン、『トロイアの人々とクレタ島の男女』となっていますが・・・
エレオノーラ「合唱は最初、みなトロイア人。でも、イダマンテがみんな自由だ!〈足枷をはずせ!〉と言った後、人々に区別がなくなる=トロイア人とクレタ島の人々の交流が始まる」
今日も元気いっぱいに走り回りながら演技指導する、エレオノーラ
エレオノーラからイリア(新垣有希子、経塚果林)、イダマンテ(山下牧子、小林由佳)にダメ出し
エレオノーラ曰く「愛とか発展、生命に対抗する、それがエレットラ。彼女だけが、人生にも愛にもイリアにもイドメネオにも、すべてのものに反対する。恐怖が生んだのがエレットラ・・・」
人々はそれをみて怯えます。
エレオノーラ「エレットラはドSなの!みんなが恐がるところをみて喜ぶ、そういう女性」
【第1幕第4場】
イダマンテ(小林由佳)、エレットラ(田崎尚美)に演技をつけるエレオノーラと菊池裕美子。右下にイリア(経塚果林)
と、稽古はまだまだ続くのですが・・・今日のレポートはここまで。
(このあと、ものすごいシーンがあるのですが(ヒントは写真一番上にあるベッド!?)、これはまた明日以降のお楽しみです!)
★サービスショット
なんだかポーズをとってる!?新垣有希子。手に持ってるのは、サラダ?
ちょっとおふざけ、王とエレットラに扮する?忠臣アルバーチェのお二人(右:北嶋信也、左:大川信之)
ウィーン・オリジナル・プロダクション《アン・デア・ウィーン劇場との共同制作》
東京二期会オペラ劇場
オペラ《イドメネオ》全3幕
日本語字幕付き原語(イタリア語)上演
2014年9月12日(金) 15:00 13日(土) 15:00 14日(日) 13:00 15日(月・祝) 13:00
新国立劇場 オペラパレス
上演予定時間:約3時間30分(休憩1回を含む)
■指揮: 準・メルクル
■演出: ダミアーノ・ミキエレット
■キャスト
●9月12日(金)/14日(日)
与儀巧 / 山下牧子 / 新垣有希子 / 大隅智佳子 / 大川信之 / 羽山晃生 / 倉本晋児
●9月13日(土)/15日(月・祝)
又吉秀樹 / 小林由佳 / 経塚果林 / 田崎尚美 / 北嶋信也 / 新津耕平 / 倉本晋児
合唱:二期会合唱団
管弦楽:東京交響楽団
■チケット
S18,000円 A14,000円 B10,000円 C8,000円 D5,000円 学生 2,000円
※学生席は二期会チケットセンター電話のみの取扱い
■問
二期会チケットセンター 03-3796-1831
東京二期会オペラ劇場 http://www.nikikai.net/
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●東京二期会《イドメネオ》稽古場レポート vol.1
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●準・メルクル インタビュー
https://ebravo.jp/archives/11944