ラスタ・トーマス & 大貫勇輔『Rock the Ballet 2』

ロックなバレエが体感できる!

左:ラスタ・トーマス(C)Rasta Thomas' BAD BOYS OF DANCE 右:大貫勇輔
左:ラスタ・トーマス(C)Rasta Thomas’ BAD BOYS OF DANCE 右:大貫勇輔

 「ハロー、ジャパン! 会いたかったよー!」と常に明るいラスタ・トーマス。愛くるしい外見からは想像できないくらいの身体能力、しかも若くしてバレエの重賞を受賞するなど数々の“伝説”を築いてきた。そんな彼が自らのカンパニー「バッドボーイズ・オブ・ダンス」を率いて来日したのが2年前。宝塚歌劇団OGを含む女性ダンサー達「バッド・ガールズ」とのコラボだったが、彼ら自身が踊る『ロック・ザ・バレエ』ではマイケル・ジャクソンやクイーンなど、ロックの名曲に合わせてパワフルなダンスを見せてくれた。そして今回は、装いも新たに『ロック・ザ・バレエ2』となって再び来日! それも注目の日本人ダンサー大貫勇輔も加わって帰ってくるのだ!
「ポップとロックってパーフェクトなブレンドだよね!」とラスタは言う。「今回はロックだけじゃなく、バレエ音楽や、ジャズ、ファンク、現代音楽など色々なジャンルの音楽が登場するよ。様々な曲がミックスされることで、観客はもっと楽しんでもらえるんじゃないかな」
 今回参加する大貫勇輔はミュージカル『ロミオ&ジュリエット』で死のダンサー役、『マシュー・ボーンのドリアン・グレイ』の主役などで、いま注目のダンサー。実力は折り紙付きで、ラスタも「ユースケはスペシャルだ!」と絶賛する。「彼はどんなジャンルも踊れるし、驚くべきエンタテイナーだよ!」
 大貫自身は「ラスタは変わった振付が多くて、慣れるのに少し時間がかかりました(笑)」という。「カンパニーの皆が、とても楽しんでダンスを踊っているのが伝わってくる。僕はどちらかというと「ダンスのための人生を送ってきた」という感じなので、色々な意味で刺激的でしたね」
 ふたりが初めて会ったのは2年前の来日公演のとき。互いのダンスの話をするうちに、なんとラスタが即興で振り付け、大貫がその場で踊って見せたことが今回の参加のきっかけになったという。まさに「ダンスで結ばれたふたり」なのである。
「アメリカで稽古をしたときには4日間で約18曲分の振付を覚えました。僕は振り覚えは早いほうなんですが、さすがにこの量は想定外の経験でした(笑)。でも日本代表の僕が世界のダンサーに囲まれてどこまで通用するか、ぜひ観に来てください!」
 ラスタにとっても日本は特別な国だという。初めて彼がプロデュースしたガラ公演を上演したのも日本だったのだ。その思いは熱い。
「このカンパニーは発展途上だけど、だからこそ成長し続けてるんだ。日本の観客は、たくさんの素晴らしい舞台に出合っているよね。僕たちのショウもぜひその中のひとつに加えてもらえたら嬉しい。そうして大きく育つ姿を見守って欲しいな」
 実力派揃いオトコの魅力が溢れる舞台。しかも強さだけではなく、チャーミングな連中が超絶技巧で飛び回る。「いつも応援してくれてありがとう!日本のファン大好き!」という彼らに、打ちのめされてしまうこと必至だ。
取材・文:乗越たかお
(ぶらあぼ + Danza inside 2014年8月号から)

8/28(木)〜 8/31(日) 東京芸術劇場プレイハウス
演出・出/ラスタ・トーマス 出/大貫勇輔 他
問:梅田芸術劇場(東京)0570-077-039

9/2(火)14:00/19:00 梅田芸術劇場シアタードラマシティ
問:梅田芸術劇場06-6377-3888 
http://www.umegei.com