日本を代表するヴァイオリニスト、諏訪内晶子が芸術監督を務める「国際音楽祭NIPPON 2022」が、2月8日から3月13日にかけて開催される。2月7日、オンライン会見が行われ、諏訪内、ジャパン・アーツ代表取締役社長の二瓶純一、同取締役の山田亮子が登壇した。
2012年にスタートした同音楽祭は、今年は「感動を紡ぐ・心をつなぐ・未来を創る」をテーマに、東京・名古屋・陸前高田で約1ヵ月間にわたり10公演を行う。諏訪内は、「J.S.バッハ:無伴奏ソナタ&パルティータ 全曲演奏会(全2回)」(愛知:2/11, 2/13 東京:2/16, 2/18)、「尾高忠明指揮 NHK交響楽団」(2/21)、「諏訪内晶子&フレンズ〜 コンサート in 陸前高田」(3/6)、「室内楽プロジェクト Akiko Plays CLASSIC & MODERN with Friends」(3/9, 3/11)、「ミュージアム・コンサート」(3/12)、「ブラームス 室内楽マラソンコンサート」(3/13)に出演するほか、「マスタークラス(ヴァイオリン部門)」(3/3, 3/4)なども実施する。
音楽祭の皮切りとなるJ.S.バッハの無伴奏全曲演奏について、諏訪内は「東京、名古屋と二夜にわたってソナタの1番から、パルティータも1番から順番に演奏していきます。6曲となると、それぞれの曲が持つ異なるメッセージがより明確に伝わるのではないでしょうか。各曲のメッセージを弾き分けられたらと思っています」と述べた。また、サブテーマとして女性の作曲家に焦点を当てている点については、「この10年ほど、多様性を重視した世の中の流れの中で、女性作曲家の作品を取り上げる機会が増えてきました。そういった変化にあわせて、今回はクララ・シューマンやファニー・メンデルスゾーンといった女性の作曲家にもフォーカスしています」と幅広いプログラムについて語った。
近現代音楽の作品にも力を入れており、尾高忠明指揮&NHK交響楽団の公演でデュティユーを取り上げ、ミュージアム・コンサートでは望月京の委嘱新作が披露される。「デュティユーは、生前ご本人にお会いしたことがあります。尾高さん&N響の公演では、デュティユー作品の他にブラームスの協奏曲も演奏しますが、コンチェルトというよりもシンフォニーのような作品。昨年5月に予定していたコンサートが中止を余儀なくされましたが、同じ顔ぶれ、同じプログラムで迎えることができて嬉しく思っています」と述べた。
今回は新型コロナ感染拡大の影響により、学校を訪れるアウトリーチ活動は見送りとなった。陸前高田での東日本大震災復興応援コンサート、これまで優秀な奏者を輩出している若手音楽家のための公開マスタークラスは実施する。
同音楽祭において「クラシック音楽業界の未来を担う人材育成」は音楽家・演奏家だけにとどまらない。クラシック音楽業界で働くことを目指す学生や、アートマネージメント専攻の学生を対象に、フェスティバルスタッフとしてインターンを募集中。コンサート制作の現場をリアルに体験できる機会を提供する。
国際音楽祭NIPPON 2022
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