曽根麻矢子 プロデュース チェンバロの庭 vol.1〈パリの庭〉

バロック時代の貴族になった気分でどうぞ

©Shunichi Atsumi
©Shunichi Atsumi
 チェンバロ(フランス語ではクラヴサン)のための音楽の最盛期と言えば、やはりフランソワ・クープラン(1668〜1733)が活躍した17世紀後半から18世紀前半にかけてだろう。バロック音楽の巨匠ヨハン・セバスティアン・バッハもほぼ同じ時代の作曲家であり、この時期はヨーロッパの各地で様々な傑作が生まれた。
 日本を代表するチェンバリスト(クラヴシニスト)である曽根麻矢子がHakuju Hallで『チェンバロの庭』という全3回のコンサート・シリーズを開催する。その第1回(3/22)は〈パリの庭〉というタイトルで、ダングルベール、F.クープラン、アーデル、フォルクレ、バルバットル、デュフリなどの作品が演奏される。
 曽根が所有するフランス式2段鍵盤のチェンバロが使われるが、これは現代の名匠デヴィッド・レイの製作によるもの。白いボディに美しい装飾が施されている。庭園で戯れるフランス貴族の絵柄ということだが、曽根いわく「パリにはいくつも庭園があります。“パーク”(公園)ではなく、“ジャルダン”(庭園)なのです。公園と呼ぶよりお庭のほうがどことなく親密な感じがします。そこでお茶を味わう時に欠かせなかった楽器がクラヴサン。“貴族に招かれたクラヴサン奏者”として私は登場します。私自身のフランス時代の思い出などもお話しできそうです」とのことだ。
 ナビゲーターを、バロック音楽に深い知識を持ち、コンサート・ソムリエとしても活躍する朝岡聡が担当するのも楽しみだ。
文:片桐卓也
(ぶらあぼ 2017年2月号から)

3/22(水)19:00 Hakuju Hall
問:Hakuju Hallチケットセンター03-5478-8700
http://www.hakujuhall.jp/