ベルリン・フィル八重奏団

8人が織り成す親密で精緻な音の会話

©Simon Pauly
©Simon Pauly
 ベルリン・フィル八重奏団は、“小さなベルリン・フィル”と呼ぶにふさわしい。80年以上の歴史を持ち、メンバーを交代させながら続いてきた。現在は、第1コンサートマスターの樫本大進が第1ヴァイオリンを務め、エルサレム弦楽四重奏団の創設メンバーであった首席ヴィオラ奏者のアミハイ・グロス、フィンランド出身の首席コントラバス奏者のエスコ・ライネ、ベルリン・フィルの“顔”の一人であるクラリネットのヴェンツェル・フックス、世界最高のホルン奏者というべきシュテファン・ドールら、ベルリン・フィルのトップ・メンバーがこのアンサンブルに参加している。
 今回はその曲を演奏するためにこのアンサンブルが結成されたという、シューベルトの八重奏曲が取り上げられる。弦楽器5つにクラリネット、ファゴット、ホルンが加わった編成から、ベルリン・フィルのエッセンスが聴こえてくるだろう。1時間に及ぶ大作で、室内楽の醍醐味と小さなスーパー・オーケストラの魅力が満喫できる。近年はますます室内楽に力を入れている樫本大進がどんな演奏を聴かせてくれるのかも楽しみ。そのほかに、ニールセンの「軽快なセレナード」、ドヴォルザーク(シェーファー編曲)の「5つのバガテル」(八重奏版)が演奏される。ニールセン作品は、3つの管楽器と低弦楽器の五重奏。フックスとドールの妙技が聴きもの。ドヴォルザーク作品の原曲は弦楽器3つとハルモニウムの四重奏だが、特別に編曲された八重奏版で聴く。
文:山田治生
(ぶらあぼ 2016年12月号から)

2017.1/22(日)14:00 横浜みなとみらいホール(神奈川芸術協会045-453-5080)
1/31(火)19:00 東京オペラシティ コンサートホール(ジャパン・アーツぴあ03-5774-3040)
http://www.japanarts.co.jp/

他公演
2017.1/19(木)りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館(TeNYチケット専用ダイヤル025-281-8000)
1/21(土)川西市みつなかホール(072-740-1117)
1/24(火)東京文化会館(都民劇場03-3572-4311)
1/25(水)杉並公会堂(03-5347-4450)
1/27(金)愛知県芸術劇場 コンサートホール(中京テレビ事業052-957-3333)
1/28(土)兵庫県立芸術文化センター(0798-68-0255)
1/29(日)三島市民文化会館 ゆぅゆぅホール(055-976-4455)