王子ホール G-Lounge #23 ジャン=ギアン・ケラス(チェロ)&フレンズ

ヨーロッパと中東を結ぶ音楽の架け橋

ジャン=ギアン・ケラス ©Marco Borggreve
ジャン=ギアン・ケラス ©Marco Borggreve
 モダン楽器とオリジナル楽器、ソロに室内楽…多彩なフィールドを自在に往き来し、まるで作品に初めて触れるかのような刺激的な快演を重ねて、常に聴き手を驚かせ続けるチェリスト、ジャン=ギアン・ケラス。今回、チェロという“舟”で漕ぎ出していくのは、何と地中海。このプロジェクトは、大の親日家であるケラス自身の「ぜひ日本で」との強い希望で、実現に至ったと言う。幼少期に3年間をアルジェリア過ごしたケラスが、自身の幼なじみでもあるイランの民俗打楽器ザルブやダフを操るシェミラーニ兄弟や、ギリシャの擦弦楽器リラの名手ソクラティス・シノプロスと共演。ヨーロッパと中東の文化を結んで、多様な音楽の架け橋となることを目指す。ステージでは、ケラスがバッハの組曲第3番やルトスワフスキ「ザッハー変奏曲」を無伴奏で披露。これにシェミラーニ兄弟が即興演奏で応え、やがて4人が互いの音にインスピレーションを受けつつ、ペルシアやギリシャの太古の調べから現代の作品まで、しなやかな感性で紡ぎ上げていく。
文:寺西 肇
(ぶらあぼ + Danza inside 2016年6月号から)

6/17(金)19:00 王子ホール
問:王子ホールチケットセンター03-3567-9990
http://www.ojihall.jp