トランス=シベリア芸術祭 in Japan 2016

名手たちが集結するフェスティバル、日本初上陸!

 「シベリア」と聞くと、日本人がまず思い浮かべるのは、閑散とした雪と氷に閉ざされた広大な大地といったところだろうか。しかしシベリアの中心都市ノヴォシビルスクは、ロシア第3の人口規模を誇る大都市である。近年は経済発展も目覚ましく、ロシアのシリコンバレーと呼ばれるIT企業の集積地を持つ。
そんなノヴォシビルスクで世界有数の音楽家が集う芸術祭が始まっても不思議はない。2014年春よりノヴォシビルスク生まれの名ヴァイオリニスト、ワディム・レーピンの掛け声によって、トランス=シベリア芸術祭がスタートした。芸術祭は海外でも公演を開き、この6月にはいよいよ日本上陸を果たす。レーピン、ミッシャ・マイスキー(チェロ)、ニコライ・ルガンスキー(ピアノ)、諏訪内晶子(ヴァイオリン)ら、豪華アーティスト陣による3公演が開催される。
とりわけ注目されるのは、6月22日の公演でのレーピンとマイスキーの共演だろう。広上淳一指揮日本フィルとともにブラームスのヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲を演奏する。
6月18日の公演では名手たちの室内楽を堪能できる。レーピン、マイスキー、ルガンスキーによるチャイコフスキーのピアノ三重奏曲「偉大な芸術家の思い出に」、ルガンスキー、諏訪内晶子、マイスキー他によるドヴォルザークのピアノ五重奏曲など、これだけのメンバーで聴ける機会はめったにない。
また、6月17日にはバレエのザハーロワとレーピンによる夢の共演も実現する。
シベリアから届く清新な風が東京を席巻する。
文:飯尾洋一
(ぶらあぼ + Danza inside 2016年6月号から)

ザハーロワ&レーピン
6/17(金)19:00 サントリーホール
レーピン&諏訪内&マイスキー&ルガンスキー
6/18(土)18:00 サントリーホール
レーピン × マイスキー 鮮烈なる協奏曲
6/22(水)19:00 東京オペラシティ コンサートホール
問:AMATI 03-3560-3010
http://www.amati-tokyo.com