マリインスキー・バレエ日本公演レポートvol.17〜ワレリー・ゲルギエフ芸術総監督・総裁らが会見

去る11月20日、三重県文化会館での『ロミオとジュリエット』を皮切りに日本公演を行っているマリインスキー・バレエが、ワレリー・ゲルギエフ芸術総監督・総裁同席のもと、11月27日、都内で記者会見を行った。
(Photo:M.Terashi/TokyoMDE)

左より)ザンダー・パリッシュ、キミン・キム、ワレリー・ゲルギエフ、 エカテリーナ・コンダウーロワ、ティムール・アスケロフ            
左より)ザンダー・パリッシュ、キミン・キム、ワレリー・ゲルギエフ、 エカテリーナ・コンダウーロワ、ティムール・アスケロフ
           

以下、ワレリー・ゲルギエフの言葉を紹介する。

「われわれにとって日本に来ることは大きな喜びでもあるし、責任感も感じている。
レパートリーの中には日本の皆様にあまり知られていない作品もあり、例えば、今回日本で上演する『愛の伝説』は非常に評判がよい作品だが、日本の皆さんにはあまりなじみのない作品だと思う。
 バレエ団にはロシアだけでなく、様々な国のダンサーが揃っています。今日登壇している英国、韓国のダンサー、そして、日本の素晴らしいダンサーも里帰りしている。常に新しい名前、新しいスターたちがステージで育ってきている。日本のダンサーもこれから着実に伸びていくことを願っています。
 マリインスキー劇場は、バレエ、オペラ、オーケストラでのツアーなど、世界中で文化を紹介している。さきほど、野村ホールディングスとマリインスキー劇場はグローバルで一致しているね、と吉川淳・野村ホールディングス代表執行役グループCOOと話したところですが、ひとつの地域に根ざすのではなく、世界中に視野を向けていこうと意見は共通している。
 世界中に目をむけているなか、日本という国は重要な国のひとつです。これまで何十年にもわたり、私どもの伝統と文化を日本の皆さんに紹介してきました。これからもその伝統が何十年も続くことを願っています。そして来年の1月1日、2016年の始まりとともに、マリインスキー劇場は日本の皆さんにとって、もっと近い存在となるのです。極東のウラジオストクの街に新しい劇場がオープンし、そこが支部になる。日本はさらに近く、地理的にも近くなることでしょう。このウラジオストクの劇場は「沿岸地域のマリインスキー劇場」と名付けている。現在のこの非常に難しい時代にこそ、文化を通じて善隣関係をつないでいき、世界中で友好関係を築いていければと思う。
 マリインスキー劇場では来年11月にオペラを、2年後にはオーケストラでのツアーも予定しています。定期的に日本の訪れて、新しい文化を紹介していきたい。
 最後に同席しているバレエ団の成功を祈りたい。私も皆さんも大きな満足を得ることでしょう」


マリインスキー・バレエ日本公演は、いよいよ明日6日(日)の『白鳥の湖』(〈オデット&オディール / ジークフリート〉エカテリーナ・コンダウーロワ / ティムール・アスケロフ)で閉幕する。

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