「チャイコフスキー・フェスティヴァル 2019」ワレリー・ゲルギエフ会見

 マリインスキー劇場芸術総監督・首席指揮者のワレリー・ゲルギエフが、8月1日、都内で今冬開催の「チャイコフスキー・フェスティヴァル2019」について記者会見を行った。
(2019.8/1 東京都内 Photo:Photo:M.Otsuka/Tokyo MDE)

 同フェスティバルは、ゲルギエフとマリインスキー歌劇場により歌劇《スペードの女王》(11/30,12/1)、コンサート形式で《マゼッパ》(12/2)が上演されるのに加え、同歌劇場管弦楽団がチャイコフスキーの交響曲全6曲と協奏曲5曲をとりあげるオーケストラ・コンサート(12/5〜12/7)から成るビッグ・プロジェクト。

 以下はゲルギエフのコメント。
「今回、オペラは日本でも人気の高い《スペードの女王》と、上演機会が少ないのですが、素晴らしいオペラ《マゼッパ》を上演します。《スペードの女王》は、あらゆる世代の歌手が歌ったことのあるチャイコフスキーの偉大なオペラで、ドラマティックでとても壮大な作品。アレクセイ・ステパニュクによる新しい演出と、マリインスキー歌劇場の歌手たちの歌や演技を楽しんでいただければと思います。《マゼッパ》は歌手たちに声量とスタミナを要求するオペラ。現在のマリインスキー歌劇場を支える歌手たちが大勢出演しますので、ぜひご期待ください。20代半ばで指揮者としてのキャリアをスタートした際、《戦争と平和》の次に指揮したオペラが《マゼッパ》でした。この大作は通常、ベテラン指揮者が振るのですが、当時まだ駆け出しだった私は、なんとかこの大作を成功に導くことができ、今ここにいることができています。


 オーケストラ公演では、ピアノ協奏曲第1番は辻井伸行さん、第2番・第3番はセルゲイ・ババヤンさんに演奏していただきます。ババヤンさんはダニール・トリフォノフの師でもある非常に優れたピアニストで、とても信頼しています。また、ヴァイオリニストの五嶋龍さん、チェリストのアレクサンドル・ブズロフさんにも出演していただきます。チャイコフスキーの交響曲を全曲演奏することにより、約30年にわたる彼の作曲家としての成長の過程を感じていただけるはずです」


チャイコフスキー・フェスティヴァル2019
11/30(土)〜12/7(土) 東京文化会館、サントリーホール
https://www.japanarts.co.jp/tf2019/
※フェスティヴァルおよびオーケストラの全国公演の詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。