結成20周年の節目に“新たなスタート”
ヴァイオリンの松原勝也と小林美恵、ヴィオラの川本嘉子、そしてチェロの河野文昭。国際的な活動を展開する、日本を代表する弦楽器の名奏者たちの音色が、ひとつになる。多忙な4人だけに、1年に1、2度ほどという限られた機会ながら、そんな“夢の響き”を紡いで来たのが、静岡音楽館AOIの専属の弦楽四重奏団である「AOI・レジデンス・クヮルテット」。結成20周年の節目に、“新たなスタート”への決意を込めたステージに臨む。
同クヮルテットは1995年、静岡音楽館AOIのオープンと同時に結成。ヴァイオリンの松原と小林に、ヴィオラ白尾偕子、チェロ安田謙一郎でスタートし、98年に河野、2001年に川本がパートを引き継いだ。00年には、三輪眞弘の弦楽四重奏曲ハ長調「皇帝」を世界初演、04年に行ったバルトークの弦楽四重奏曲の熱演が反響を巻き起こすなど、古典から現代まで、質の高い快演を提供。ピアノのパスカル・ロジェをはじめ、国内外の名手との共演も続けている。
今回のステージでは、ベートーヴェンとショスタコーヴィチの、それぞれ「第1番」の弦楽四重奏曲を大枠に据えて、“新たなスタート”への思いを鮮明に。ここへ、静岡音楽館AOIが、同館の芸術監督でもある野平一郎に委嘱した、弦楽四重奏曲第5番の世界初演を挟み込む。そして関連イベントとして、平野昭・静岡文化芸術大学名誉教授による講演会「弦楽四重奏の楽しみ方」(11/15、要申込)なども開催。また、東京と静岡の2公演を楽しめる、お得な「応援隊」セット券も用意されている。
文:笹田和人
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年10月号から)
11/14(土)18:00 上野学園 石橋メモリアルホール
11/15(日)15:00 静岡音楽館AOI
問:静岡音楽館AOI 054-251-2200
http://www.aoi.shizuoka-city.or.jp