第477回 八ヶ岳高原サロンコンサート マリア・ジョアン・ピリス(ピアノ) & 小林海都(ピアノ)

ピリスが愛弟子とともに贈る一夜


 大自然に囲まれたロケーション、木のぬくもりある響きの中で、都会の演奏会とは一味違う特別な時間を過ごすことができる、八ヶ岳高原音楽堂。11月のサロンコンサートに、マリア・ジョアン・ピリスが、弟子である小林海都とともに登場する。
 小林は、2013年東京音楽コンクールで第2位に入賞、昨年からはエリザベート王妃音楽大学で学ぶ。“将来大物になりそうな気配”を持つ人というのがいるが、4年前、まだ上野学園高校1年生ながら意志の強い音楽性を見せていた彼からは、まさにそんな印象を受けた。世界に出て名ピアニストのもとで学ぶことで、その才能がさらに花開いている頃だろう。ピリスとのデュオで、シューベルトのアレグロ「人生の嵐」他を演奏する。そして、ピリスがソロで弾くのは、ベートーヴェンの31番のソナタ。冬を迎えようとする季節の八ヶ岳の自然の中、柔らかな感性を持つ彼女が、この崇高な作品に何を感じ、どう表現するのか。遠方からでも訪れる価値のある公演となりそうだ。
文:高坂はる香
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年10月号から)

11/14(土)16:30 八ヶ岳高原音楽堂
問:八ヶ岳高原ロッジ0267-98-2131
http://www.yatsugatake.co.jp