ハンヌ・リントゥ(指揮) シベリウス生誕150年記念 交響曲全曲演奏会

シンフォニスト、シベリウスの全容に迫る

ハンヌ・リントゥ ©Sini Pennanen
ハンヌ・リントゥ ©Sini Pennanen

 番号付きの交響曲を7作残したジャン・シベリウス。今年が生誕150年というアニヴァーサリー・イヤーだからこそ、これまで聴いてこなかった作品にチャレンジしたり、7曲をイッキ聴きできるチャンスがある。有名な「フィンランディア」とほぼ同時期に書かれている交響曲第1番に始まり、全7曲を約25年間で書いたシベリウスだが、その変遷は彼自身の人生を投影した記録でもあるのだ。ベートーヴェン、ブルックナー、マーラーなど多くの作曲家と同様、交響曲がシベリウスの音楽や人物像へ近づく道であることは間違いない。
 すみだトリフォニーホールで行われる全7曲サイクルは、フィンランドの名匠であるヨルマ・パヌラ等に師事したハンヌ・リントゥが指揮台に登場。ホールのハウス・オーケストラである新日本フィルハーモニー交響楽団(第1・2回)と手兵のフィンランド放送交響楽団(第3回)を指揮し、3日にわたり全7曲を演奏する。サイクルの初回は大自然の中で開放感を味わうような第3番で幕を開け、全7曲のうちでもっとも内向的かつ幻想的な第4番、そして人気作品である第2番を。第2回は純度が高く心が洗われる第6番と、チャイコフスキーの影響も垣間見える第1番を。そして第3回は大自然のため息を音楽にしたような第7番と、フィナーレにふさわしい祝祭感たっぷりの第5番を。
 フィンランド、そして北欧への愛なら誰にも負けないという方なら、まずはシベリウスの7曲を。
文:オヤマダアツシ
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年10月号から)

第1回 新日本フィル 10/7(水)19:00 第3番・第4番・第2番
第2回 新日本フィル 10/10(土)18:00 交響詩「大洋の女神」、第6番・第1番
第3回 フィンランド放送響 11/2(月)19:00 第7番、交響詩「タピオラ」、第5番
すみだトリフォニーホール
問:トリフォニーホールチケットセンター03-5608-1212
https://www.triphony.com