ベンジャミン・グローヴナー(ピアノ)

UKからの新星が魅せるピアニズム

ベンジャミン・グローヴナー  ©Decca/Sophie Wright
ベンジャミン・グローヴナー
©Decca/Sophie Wright

 英国ピアノ界期待の星、ベンジャミン・グローヴナー。神童として早くから注目された彼は、英国王立音楽アカデミーで学び、19歳の頃BBC響との共演でBBCプロムスに初登場。今年は同音楽祭ラストナイトへの出演も決まっているそうで、この23歳の青年への注目度の高さがうかがえる。
 そんなグローヴナーが2度目の来日を果たし、優れた若手をいち早く紹介する眼力に定評のある、彩の国さいたま芸術劇場『ピアノ・エトワール・シリーズ』に登場し、こだわりのプログラムを披露する。テーマは「ロマン派におけるバロック」。メンデルスゾーン「前奏曲とフーガ」より2曲、バッハ(ブゾーニ編)「シャコンヌ」や、ラヴェルの「クープランの墓」など、当時作曲家の心を捉えた“バロックを振り返る”というアイディアから生まれた作品をつなぐ。「ピアノは自分の指の下にオーケストラがあるようなもの」だと語る彼が、シャープなタッチで鳴らすクリアな音、スケールの大きな音楽性で、新旧の融合から生まれた音楽の魅力を浮き彫りにする。
文:高坂はる香
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年9月号から)

ピアノ・エトワール・シリーズ Vol.27 ベンジャミン・グローヴナー
9/5(土)15:00 彩の国さいたま芸術劇場 音楽ホール
問:彩の国さいたま芸術劇場0570-064-939
http://www.saf.or.jp/arthall