BARTOKIANA 〜バルトーク没後70周年記念

名手たちが迫るバルトークの深奥

 第二次大戦直後に亡くなったバルトークの没後70年を記念する演奏会が開かれる。ユニークなソロやアンサンブル作品が絶妙にチョイスされており、民族的な「ラプソディ第1番」、20世紀ソロヴァイオリン曲の代表作「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ」などに、ベニー・グッドマンとヨーゼフ・シゲティのために書かれ、バルトーク自身のピアノでも演奏された三重奏曲「コントラスツ」も加わる。いずれも濃厚な名品ながら、意外と実演で聴ける機会は多くなく、大作以外のバルトークの深奥に触れるチャンスだ。
 演奏は、ハンガリーのリスト音楽芸術大学で日本人初のソリストディプロマを取得し、ブダペストでの活動も盛んなピアニスト谷本聡子と、東京交響楽団第1コンサートマスターとしておなじみのヴァイオリニスト、グレブ・ニキティン。2人は現在、札幌大谷大学で教授を務めており、練られた演奏が期待できそうだ。ゲストは同じく東響の首席クラリネット奏者エマニュエル・ヌヴーで、息の合った3人の熱い共演も楽しみ。
文:林 昌英
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年8月号から)

9/5(土)14:00 王子ホール
問:プロアルテムジケ03-3943-6677
http://www.proarte.co.jp