アンリ・バルダ(ピアノ)

“神秘のピアニスト”の深い精神性

Photo:Jean-Baptiste Millot
Photo:Jean-Baptiste Millot

 聴衆を必ず虜にする“唯一無二”のサウンドを持ち味としつつも、実演に接する機会が極めて少なく、本国フランスでは「神秘のピアニスト」とまで称されるアンリ・バルダ。ホロヴィッツのライヴァルであったポーランドの天才イグナス・ティエガーマンに3歳から個人指導を受け、パリ国立高等音楽院やジュリアード音楽院に学び、ヨーロッパ各国や日本でも活動、そのプレイは「ピアニストが惚れ込むピアニスト」とまで絶賛された。極端に絞り込んだストイックな演奏活動の傍ら、パリ国立高等音楽院やパリ・エコール・ノルマル音楽院で後進の指導へ力を注いできた。
 そんな名匠の実演に触れられる、貴重な機会となる来日リサイタル。プログラムは、まずラヴェル「ラ・ヴァルス」を軸に据えて、ブラームスの「3つの間奏曲 op.117」と「6つの小品 op.118」、ショパンのワルツやマズルカを配した。まさに、バルダの音楽人生の粋。深い精神性に、高い技巧もさりげなく織り込まれてゆく。
文:笹田和人
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年8月号から)

9/26(土)14:00 浜離宮朝日ホール
問:コンサートイマジン03-3235-3777
http://www.concert.co.jp

他公演
9/23(水・祝)松本ザ・ハーモニーホール
9/24(木)宗次ホール
9/27(日)横浜市港南区民文化センター ひまわりの郷
10/2(金)神戸新聞松方ホール
10/4(日)西条市総合文化会館
※詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。