吉野直子(ハープ)Naoko Yoshino, harp

(C)Akira Muto

「ステージで、私は一人ぼっちではありません。いつも、ハープが一緒にいてくれるのですから…」
このことばは、吉野直子の音楽の特徴をよく表している。彼女はもちろんハープを愛している。でも、もしかしたらそれ以上に、彼女はハープに愛されているのかもしれない…。

ロンドンに生まれ、6歳よりロサンゼルスにて、スーザン・マクドナルド女史のもとでハープを学び始めた。1981年に第1回ローマ国際ハープ・コンクール第2位入賞。1985年には第9回イスラエル国際ハープ・コンクールに参加者中最年少の17歳で優勝した。

これまでに、ベルリン・フィル、イスラエル・フィル、チューリヒ・トーンハレ管、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管、フィルハーモニア管、フィラデルフィア管、ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスなどのオーケストラや、アーノンクール、メータ、ブーレーズ、ブロムシュテット、メニューイン、フリューベック・デ・ブルゴス、小澤征爾など、国内外の著名オーケストラや指揮者と共演を重ねている。リサイタルもニューヨーク、ウィーン、ロンドン、東京など世界の主要都市で数多く行っている。また、ザルツブルク、ルツェルン、シュレスヴィヒ・ホルシュタイン、マールボロ、セイジ・オザワ松本フェスティバルなど、世界の主要音楽祭にも度々招かれ、常に好評を博している。室内楽の交流も幅広く、ヴァイオリンのクレーメル、ヴィオラのV. ハーゲン、今井信子、チェロのC.ハーゲン、フルートのニコレ、ランパル、シュルツ、パユ、ホルンのバボラークなどと共演を重ねてきた。また、ハープの新作にも意欲的に取り組み、武満徹「そして、それが風であることを知った」、細川俊夫「ハープ協奏曲」、高橋悠冶「Insomnia」、マヤーニ「ソナタ第2番」など初演した作品は数多い。

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レコーディング活動も活発で、これまでにテルデック、フィリップス、ソニー・クラシカル、ヴァージン・クラシックスなどからCDを発表している。2015年には、フランスのアパルテ(Aparté)からオーヴェルニュ室内管と共演した「ハープ協奏曲集」を発表した。また、自主レーベルのグラツィオーソ(grazioso)を創設して、録音プロジェクトを開始。2016年に発表した第1作「ハープ・リサイタル~その多彩な響きと音楽」を皮切りに、「ハープ・リサイタル2~ソナタ、組曲と変奏曲」(2017年)、「ハープ・リサイタル3~バッハ・モーツァルト・シューベルト・ブラームス 他」(2018年)、「ハープ・リサイタル4~武満・細川・吉松・ケージ・サティ」(2019年)、「ハープ・リサイタル5~その多彩な響きと音楽II」(2020年)、「ハープ・リサイタル6~トゥルニエ・ルニエ・カプレ・カゼッ ラ・サルツェード・フォーレ」(2021年)、「ハープ・リサイタル~Intermezzo~」 (2022年)と、毎年切り口を変えた「ハープ・リサイタル」シリーズをリリースし、 いずれも非常に高い評価を受けている。

1985年アリオン賞、1987年村松賞、1988年芸術祭賞、1989年モービル音楽賞奨励賞、 1991年文化庁芸術選奨文部大臣新人賞、エイボン女性芸術賞をそれぞれ受賞してい る。2021年度毎日芸術賞特別賞受賞。国際基督教大学卒業。

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