武生国際音楽祭2024

名匠から気鋭まで、豪華クァルテットが初秋の福井に集結!

 今年も福井県越前市で武生国際音楽祭が開催される。期間は9月1日から8日まで。作曲家の細川俊夫音楽監督のもと、コンサートや作曲ワークショップ、アカデミーが行われる。同音楽祭は地域に密着しながら、多くの同時代作品を含んだ公演を実施し、創造性にあふれた音楽祭として大きな成果を収めてきた。11公演からなるメインコンサートには、武生ならではの先進的なプログラムが並ぶ。

アルディッティ弦楽四重奏団 ©Manu Theobald

 今年のプログラムテーマは、昨年と一昨年に引き続いて「弦楽四重奏曲」。現代音楽の分野における世界最高峰のクァルテット、アルディッティ弦楽四重奏団がふたたび登場して、20世紀から21世紀にかけての弦楽四重奏曲を演奏する。さらに注目の若手集団クァルテット・インテグラと、山根一仁、毛利文香、田原綾子、上野通明の名手からなるエール弦楽四重奏団が招かれ、古典もとりあげる。

クァルテット・インテグラ ©Abby Mahler
エール弦楽四重奏団 ©Hideki Shiozawa

 中心となるのは新旧のウィーン楽派。ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンのウィーン古典派からシェーンベルク、ベルク、ウェーベルンの新ウィーン楽派の音楽に重点が置かれ、現代のウィーンの音楽も紹介される。さらにリゲティ、ノーノ、サーリアホ、西村朗、坂田直樹、塚本瑛子らの作品も演奏され、プログラムは実に多彩だ。演奏者はピアノの北村朋幹、ヴァイオリンの白井圭、ハープの吉野直子、フルートのマリオ・カーロリなど、そうそうたる顔ぶれがそろう。いずれの公演も発見と驚きに満ちたものになることだろう。
文:飯尾洋一
(ぶらあぼ2024年8月号より)

2024.9/1(日)~9/8(日) 越前市文化センター、越前市労働福祉会館 他
問:武生国際音楽祭推進会議事務局0778-23-5057 
http://takefu-imf.com
※各公演の詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。