
ハインツ・ホリガーは、現代の最も多彩で非凡な音楽家の一人といえるであろう。
彼は、ジュネーブやミュンヘンの国際コンクールで優勝して後、すぐに5大陸の主要なコンサート・ホールで演奏し始めた無比の国際キャリアの持ち主である。作曲と演奏両方を追求することによって、彼は自分の楽器上での技術的な可能性を引き伸ばし、また、同時に現代音楽に深く傾倒している。現代を代表する作曲家達がホリガーのために作曲をしており、また、ホリガーもあまり知られていない作品や作曲家の曲の代弁者にもなっている。
ハインツ・ホリガーは、多くの名誉賞や賞状を授与している。例えば、スイス音楽家協会作曲家賞、バーゼル市芸術賞、シーメンス音楽賞、フランクフルト市音楽賞、ベニス・ビエンナーレ・アビアティ賞、チューリッヒ大学名誉教授、チューリッヒ・フェスティバル賞、などがある。また、録音に対しても多くの賞を受賞している。ディアパソン・ドール、ミデム・クラシカル賞、エディソン賞、グランプリ・ドゥ・ディスクなどがある。
指揮者として、ホリガーは長年世界の主要なオーケストラや室内楽団と共演している。例えば、ベルリン・フィル、クリーブランド管、アムステルダム・コンセルトヘボウ、ロンドン・フィル、ウィーン響、ウィーン・フィル、バイエルン放送響、ケルン放送響、フランクフルト響、チューリッヒ・トーンハレ管、スイス・ロマンド管、ローザンヌ室内管、ブタペスト・フェスティバル・オーケストラ、リヨン王立管、ストラスブール・フィルなどがあり、また長年に渡り、ヨーロッパ室内管弦楽団とのコラボレーションがある。
作曲家としても国際的評価を得ており、作品は現在、ショット・ミュージック・インターナショナルからのみ出版されている。チューリッヒ・オペラで上演された彼が作曲をしたロバート・ヴァルサー作によるオペラ“白雪姫”は絶賛を博した。
2012年ザルツブルク音楽祭では、レジデントアーティストとして作曲家、オーボエ奏者、指揮者として活動した。
わが国には、1990年代前半までは頻繁に来日していたが、その後、しばらく来日が途絶え2010年より再開し、その後、2012年にも来日、新日フィル、名フィル、水戸室内管、兵庫芸術文化センター管に指揮者として招かれた他、室内楽も活発に行っている。
オーボエ奏者、指揮者、作曲家としてのホリガーのCDは、テルデック、フィリップス、ECMレーベルから発売されている。
コンサート情報
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