ファジル・サイ(作曲/ピアノ)Fazil Say, Composer/piano

(C)Marco Borggreve

1970年トルコ生まれ。アンカラ国立音楽院でピアノと作曲を学んだ。17歳でデュッセルドルフのシューマン音楽院に留学。その後ベルリン音楽院で学び、1994年ヤング・コンサート・アーティスト国際オーディションで優勝。その後ニューヨーク・フィル、イスラエル・フィル、ロイヤル・コンセルトヘボウ管、サンクトペテルブルク・フィルをはじめとする世界一流のオーケストラと定期的に共演している。またルツェルン・フェスティバル、ザルツブルク音楽祭、ヴェルビエ音楽祭、ボンのベートーヴェン音楽祭などに出演し、アムステルダム・コンセルトヘボウ、ウィーン楽友協会、サントリーホール、カーネギーホール、ベルリン・フィルハーモニーなど数々の檜舞台で演奏している。2008年には5日間にわたってファジル・サイ・フロジェクト in Tokyo を行い、大きな話題を集めた。

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作曲の才能にも恵まれ、16歳で作曲した「Black Hymns」はベルリン建都750周年記念行事で演奏された。1991年には「ヴァイオリンとピアノのための協奏曲」をベルリン交響楽団と共に自ら初演した。1996年にはボストンでピアノ協奏曲第2番「シルクロード」を初演し、トルコ文化庁の委嘱によるオラトリオ「ナズム」は、トルコの有名な詩人ナズム・ヒクメトの詩を題材に、2001年アンカラでトルコ大統領臨席のもと初演された。2006年にはザルツブルク音楽祭のために「In the Serai(後宮の中で)」を作曲。2007年には日本のアニメーション映画「オオカミくんはピアニスト」の音楽を担当し、この映画は75周年にあたる同年のヴェネチア国際映画祭に出品された。

近年の作品は、交響曲第1番「イスタンブール・シンフォニー」(2010年/ドルトムント・コンサートホール、ケルンWDR響共同委嘱)、交響曲第2番「メソポタミア」(2012年/イスタンブール・フェスティバル委嘱)、クラリネット協奏曲「Khayyam(ハイヤーム)」(2011年/シュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭委嘱)、クラリネット・ソナタ(2012年/バート・キッシンゲン音楽祭委嘱)、チェロ・ソナタ(2012年/BBC委嘱)などが挙げられ、2012年12月には、交響曲「Universe(宇宙)」(ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団委嘱)が発表される予定。

レコーディングは、1998年にリリースされたデビューCD『トルコ行進曲~サイ・プレイズ・モーツァルト』が絶賛を博し、ストラヴィンスキーの『春の祭典』では、1人で4手のパートを演奏、大ヒットとなり、01年度エコー・クラシックス賞など数々の賞に輝いた。『モーツァルト:ピアノ協奏曲集』『ベートーヴェン:ソナタ集』、また自作を集めた『ブラック・アース』、そして最新の自作曲を収めた『ハーレムの一夜』もリリースしている。2009年には2006、07年に東京・紀尾井ホールで行われたリサイタルのライブDVDがリリースされた。2012年6月には、新譜『展覧会の絵』のCD、DVDが発売される。

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