デビュー40周年を祝うステージにゆかりの奏者が大集結!
道なき道を40年間進み続けてきた先に、文京シビックホールの輝くステージがあった——。
日本を代表するサックス奏者で、クラシック・サクソフォンの開拓者、多くの後進を育てる教育者でもある須川展也。2024年でデビュー40周年を迎え、文京シビックホールで記念コンサートを開催するヴィルトゥオーゾに話を聞いた。
「文京シビックホールはシエナ・ウインド・オーケストラと共演したり、サクソフォンアンサンブルとして出演したりしたご縁の深いホールです」
第1部では妻であり、盟友でもある小柳美奈子のピアノとともに「ロンドンデリーの歌」(アイルランド民謡/石川亮太編)と「組曲」(ファジル・サイ)を演奏する。
「第1部のテーマは“原点”です。『ロンドンデリーの歌』は親しみやすいメロディを持つ、みなさんもご存知の曲。サクソフォン・ソロの魅力を味わっていただきたいと思って選びました」
第2部では、ジャズ界からギタリストの渡辺香津美、ベーシストの井上陽介を迎え、「アルフィー」(B.バカラック)、「遠州燕がえし」(渡辺香津美)、「Passy Home」(同)などを演奏。
「香津美さんとのお付き合いは長く、何度も共演させていただきました。僕はクラシックの人間ですが、ジャズの香津美さんの持つ音楽性と重なる部分があり、そこを引き立てていただきながらやってきました。今回は、僕の故郷である静岡県西部をテーマにした香津美さんの代表曲『遠州燕がえし』をプログラムに入れ、フリージャズ的な面白さもお伝えしたいと思っています」
そして、第3部は山下一史指揮による東京藝術大学卒業生とのスペシャル・サックス・アンサンブルで「ラプソディ・イン・ブルー」(ガーシュウィン/長生淳編)などを演奏する。登場するのは、榮村正吾、國末貞仁、福井健太、住谷美帆といった、第一線で活躍している須川自慢の教え子たちだ。
「東京藝大ではいままでたくさんの素晴らしい生徒たちと出会いましたが、教えるというより一緒に学んできたという感じですね。今回はありがたいことに山下さんの指揮で、約60人の生徒たちと一緒に演奏できることを嬉しく思います」
近年は市民参加型の企画にも力を入れている須川だけに、プレコンサートでは文京区民によるサックスアンサンブルを仕掛け、自らも吹き振り(演奏兼指揮)で参加するという。
積み重ねられた40年のキャリア、思い、人とのつながり……そして、華麗にして優美、円熟した「須川サウンド」を堪能できるメモリアルなコンサートになりそうだ。
取材・文:オザワ部長(吹奏楽作家)
(ぶらあぼ2024年3月号より)
【出演者・曲目変更】
本公演に出演を予定していたギターの渡辺香津美氏は、体調不良による入院治療のため、出演をとりやめることになりました。
また、G.ガーシュウィン(長生淳編曲):ラプソディ・イン・ブルーは都合により、G.ガーシュウィン(挾間美帆編曲):「すべてを知っている場所」からの便り~ガーシュウィン・メロディーズ~に変更いたします。
詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。
デビュー40周年記念公演 須川展也 サクソフォン・リサイタル
2024.5/11(土)14:00 文京シビックホール
問:コンサートイマジン03-3235-3777
http://www.concert.co.jp
他公演
2024.5/18(土) 神戸新聞松方ホール(078-362-7191)