北海道生まれ。15歳で渡豪し、シドニー音楽院/大学を卒業。1990年、全豪オペラ・コンクールで優勝し、同年、シドニーとメルボルン、両オペラハウスでオペラ・デビューを果たす。
92年、イタリア・ナポリのサン・カルロ劇場にてオペラ『ラ・ボエーム』のムゼッタ役で欧州デビュー後、同年、オーストリアでインスブルック国際バロック音楽祭に出演。中嶋がタイトルロールを歌ったヘンデルのオペラ『アルチーナ』が、欧州放送連合より92年度最優秀賞を受賞する。以後活動拠点を欧州に移し、インスブルック・チロル歌劇場、ダルムシュタット歌劇場(ドイツ)と専属契約を結ぶ。
その後、スイス、イタリア、オランダ、デンマーク、フランス、スウェーデン、オーストラリアの劇場に活躍の場を広げるが、中でも、映画監督バズ・ラーマン演出による96年のシドニー・ オペラハウス公演『ラ・ボエーム』の魅惑的なムゼッタは高い評価を得、大きな注目を集める。
99年にはダルムシュタット歌劇場でのオペラ『ランメルモールのルチア』でセンセーショナルなルチア役を演じ、ドイツ有数のオペラ誌「オペルンヴェルト(Opernwelt)」の年間最優秀新人賞を受賞する。同年ウィーン・フォルクスオーパーの専属歌手となり、卓越した歌唱力と演技力、そして自由で華やかな存在感で圧倒的な人気を獲得する。
2007年ハンブルク州立歌劇場デビュー。同年末にはサンディエゴ交響楽団との共演でアメリカ・デビューも果たす。 オペラ以外では、ロリン・マゼール、ヘルベルト・ブロムシュテット、小澤征爾、チョン・ミョンフン、大野和士、ハインリッヒ・シフら名指揮者のもと各国のオーケストラと共演している他、ウィーン芸術週間、スポレート、ブレーゲンツ、ミュンヘン・ビエンナーレなど著名な国際音楽祭にも出演している。日本では、99年シャルル・デュトワ指揮 NHK 交響楽団との共演、フォーレ「レクイエム」で本格的な活動をスタート。2002年の新国立劇場『ウェルテル』ソフィー役でオペラ・日本デビュー後は、新国立劇場『フィガロの結婚』、『コシ・ファン・トゥッテ』、『こうもり』、日生劇場『後宮からの誘拐』、『利口な女狐の物語』、びわ湖オペラ『ラ・ボエーム』、あいちトリエンナーレ 2010プロデュースオペラ『ホフマン物語』、2014年1・2月公演の千住明作曲、新作オペラ『滝の白糸』などに出演している。
2017年には、東京、金沢、高崎、大阪の4都市で上演された全国共同制作 プロジェクトのオペラ『蝶々夫人』にタイトルロールでの出演し、大絶賛を浴びる。現在最も注目される国際的日本人ソプラノ歌手の一人。
ウィーン・プライザー・レコーズ社よりリリースされた歌曲集『ラ・パストレッラ』(PR90647)は、2005年度ドイツ批評家大賞にノミネートされたほか、その他のソロCDアルバム、オペラ・アリア・デュエット集 『女の肖像』(PR90691)、世界初録音を豊富に取り入れたアリア集『愛の喜び』(CDS556)、ウィーン楽友協会録音のオペレッタ歌曲集『ウィーンわが夢の街』(GRML98908 )も好評を博している。
2009年以降は、国際的な福祉運動や地域文化活性化活動、教育プログラムにも積極的に携わり、 新たな取り組みもスタート。
2012年からは脚本、演出、企画プロデュースも手掛けるなど、さらに幅広い活動を展開し、2014年には、よみうり大手町ホールで開催された「モーツァルトハウス・ウィーン in ジャパン 2014」で総合企画監督を務め、高い評価を得る。
また 2016年には、 中嶋彰子プロデュース&出演の舞台作品『夢幻能:月に憑かれたピエロ』がスイスのシオン音楽祭で初の海外公演を迎え、各方面から高い関心を集める。現在、海外の音楽祭での『夢幻能』再演に期待が寄せられている。 第14回「出光音楽賞」受賞。モーツァルトハウス・ウィーン、アーティスティック・アドバイザー。群馬オペラアカデミー「農楽塾(のうらじゅく)」総監督。ぐんま観光特使。
2017年9月よりウィーン私立音楽芸術大学(MUK)舞台芸術学部声楽・オペラ科独唱専攻の教授に就任。
コンサート情報
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