雄大と行く 昼の音楽さんぽ 第26回 アンサンブル・ミクスト(木管五重奏)

夏のお昼に瑞々しい木管五重奏を堪能

左より:梶川真歩、嵯峨郁恵、尾上昌弘、本多啓佑、中田小弥香

 お昼の1時間で本格的なクラシック音楽を堪能できる第一生命ホールの「雄大と行く、昼の音楽さんぽ」。今年はアンサンブルの魅力を楽しむシリーズが企画され、8月には木管五重奏の「アンサンブル・ミクスト」が登場する。2003年に当時の東京藝術大学の学生たちが結成した同グループは、N響の梶川真歩(フルート)、東京シティ・フィル首席の本多啓佑(オーボエ)、多方面で活躍する尾上昌弘(クラリネット)、嵯峨郁恵(ホルン)、中田小弥香(ファゴット)の実力派五人組。各地でのコンサートやアウトリーチ、CDやスタジオ録音等、幅広い活動を行っている。木管五重奏の魅力は、音色も特質も異なる管楽器が融合し絡み合う独特の響きと、同時に醸し出される各楽器の個性的な味わい。加えて当グループは、同門・同世代の息の合ったやりとりと生命力に溢れた瑞々しい演奏で聴く者を魅了する。

 今回は、ロッシーニの《セビリアの理髪師》序曲、イベールの「3つの小品」、モーツァルトの「きらきら星変奏曲」、ヒンデミットの「小室内楽曲」(op.24-2)という、お馴染みの名曲と五重奏の定番オリジナル曲を交互に並べたプログラム。ロッシーニでは明るく軽妙な音楽を、イベールでは粋なフランスのエスプリを、モーツァルトでは有名旋律で各楽器の妙技を、ヒンデミットでは近代の高度なアンサンブルを味わえる。すなわち1時間で木管五重奏の醍醐味を満喫できる内容だ。

 これは一般ファンが身構えずして木管五重奏に触れる絶好の機会。山野雄大のトークで理解も深まるし、夏休み中でもあるので、子どもや学生を含むあらゆる層の聴衆に足を運んでほしい。
文:柴田克彦
(ぶらあぼ2021年7月号より)

2021.8/25(水)11:15 第一生命ホール
問:トリトンアーツ・チケットデスク03-3532-5702 
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